露出の山を逃さない。全体最適を目指す緻密なディレクション
MarkeZine:meltにはしっかりとした世界観があるからこそ、UGCでは一貫性を保つためのキャスティングが重要になるかと思います。どのような基準で人選やディレクションを行っているのでしょうか?
川上:当社は国内有数のインフルエンサー分析ツールを複数契約しており、全プラットフォーム横断でのリストアップが可能です。その上で、まず全プラットフォーム・全インフルエンサーから美容訴求が可能な方に絞って千人規模のリストを作成し、そこから数値面での精査や、meltブランドとしてのトンマナに合いそうな方など百~数百人ピックアップしていきます。驚かれることもありますが、本当にインフルエンサーのアカウントはほぼ全てチェックしています。そこからさらにブランドチームの方々とすり合わせを重ねて、最終的に依頼する方を決めていきます。
投稿いただくコンテンツの内容や文脈は人それぞれですが、インフルエンサー一人ひとりの理解に努め、「その人の個性」と「投稿で表現してほしいこと」を念頭に置いてディレクションしていきます。加えて、タイミングや施策のフェーズ、反響、ソーシャルリスニングの結果などを踏まえ、投稿内容については都度細かく調整しています。
篠原:「どの」インフルエンサーに「いつ」投稿してもらうのが最も効果的か――UGC以外の施策も含め、露出の「山」ができるタイミングを狙い、お客様の感情や思考回路を逆算した上で、全体最適を細かく設計してもらっているので、とても心強いです。
また、ウィングリットさんには花王ヘアケア事業全体のUGC領域を「横串」で見てもらっているため、各ブランド間でのコミュニケーションコスト削減やバッティング防止にも役立っています。meltで得られた知見やノウハウは社内で共有しているので、ヘアケア事業部全体で好循環が生まれていますね。

川上:インフルエンサー側にとっても、窓口が一本化されるメリットは大きいと考えます。ブランドが複数あっても、インフルエンサーにとって、花王はひとつの会社です。ウィングリットがいわば「花王ヘアケア事業の広報窓口」になることで、どの商品のことでもインフルエンサーが気軽に相談しやすい環境を作ることができていると感じています。
「らしさ」を失わず成長するには、UGCで「やらないこと」を決める勇気も必要
MarkeZine:では、最後にmeltの今後の展望をお聞かせください。
篠原:おかげさまでご好評をいただいているmeltですが、認知度は3割程度。まだまだチャレンジャーとしてファンを増やしていく段階にあると考えています。10年、20年愛されるブランドになるためにこれから必要なのは、美容ミーハー・美容マス層への展開でしょう。失敗を恐れずPDCAを回しながら、UGC施策では人選やコンテンツの幅を広げていきたいです。
MarkeZine:ウィングリット社は、今後meltのUGC施策で挑戦したいことはありますか?
川上:篠原さんのおっしゃる通り、ブランド拡大フェーズに向けて様々なチャレンジをしていきたいです。その上で大切にしたいのは、「meltらしさを失わずに成長すること」。UGC施策の幅を広げようとすると、あれもこれもと手を出したくなりますが、ブランドが一貫性を保ち、生活者からの知覚価値を維持・強化し、強いブランドとして長く続くためには、逆に「やらないこと」を決める勇気も必要だと考えています。その線引きをしっかりと意識しながら、新しいことに挑戦していきたいですね。

また、これは前回の記事でもお話ししましたが「ファンダム形成」にも一層注力したいです。時間の経過とともに、インフルエンサーが商品を紹介する意義は薄れていきやすかったりもします。そのため、継続的にブランドについて語っていただけるような愛用者の方を増やし、ファンダムを強固にし、実際の発話につなげていく――UGC領域のパートナーとしてこれからも突き詰めていきたいと思います。
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