(4)組織的な競争力格差:勝敗を分ける、自律型AI実装への壁
最後に「組織におけるAIの立ち位置によって競争力に大きな格差が生まれる」という変化についても触れておきましょう。2025年にAI実装が急速に進んだことで、ブランドの競争力は「AIを入れているかどうか」ではなく、「AIを自律的に働かせられているか」によって決定的な格差が生じるフェーズに突入していると考えられます。
以下に、AI実装の段階を大きく3段階に分けて示しました。
全企業における割合はあくまで現段階での筆者の肌感ですが、先端企業においては話題が第1段階(個人の生産性向上)から第2段階(組織の生産性向上)、第3段階(事業・組織変革)へと急速に移り変わっていると感じています。
当社ではAIリサーチ&イノベーションセンターという研究機関を中心に第3段階の実装を行っていますが、第2段階と第3段階の間には大きな壁があり、筆者としてもここを越えられるかどうかが勝敗を分けると肌身に感じています。
本連載では、第3段階に到達することで実際に事業・組織にどういった変化が生まれるのか、またどのように実装を進めるべきなのかも可能な限り詳細にお話ししていきます。
では、2026年のAIマーケティング投資戦略はどう考えればよいのか?
ここまで大きく4つのカテゴリーに分けて現時点のAI関連課題をまとめてきましたが、本連載では「自社がこれらのAI戦略にどう対応していくべきか?」が最大の論点となります。
「とにかくAI検索対策を急ぐ必要がある」「一刻も早くエージェンティックAI型組織への移行を」など、持っているリソースをすべて投下してでもAI対応をしないとまずいといった論調が目立ちますが、当然ながら実際の投資戦略を練る上では自社の状況に合わせた現実的なラインの見極めが重要です。
以下に、課題ごとの対応内容の一例を投資余力に応じたグラデーションをつけてまとめました。このように、自社にとってどの変化対応の優先度が高いのか、どの程度の投資が最適なのかを整理して探っていく必要があります。
次回の記事では、上図の左端に示した、2026年特に注目を集める(1)顧客接点の変質への対応を中心に解説。網羅的にマーケ責任者が視野に入れるべき課題と対応、そして最適な投資ラインの見極め方についてお伝えします。
