カルチャーコネクター(2)「パリ五輪×共同制作」で敬意を得る
LVMH - THAT CHANGES ANYTHING
オリンピックは世界的な注目を集め、多くの企業がスポンサーとして関わります。一方で、会場や式典でのブランド露出には厳しい規定があり、ロゴなどの露出が制限されています。
そこでLVMHは、Paris Olympicsにおいて、スポンサーとして「枠」を買うのではなく、大会の「共同制作者」になる道を選びました。たとえば、ショーメ(Chaumet)はメダルを制作し、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)はメダル授与式で使用される特別仕様のケース、ベルルッティ(Berluti)は聖火ランナーの装いを担当し、ディオール(Dior)は式典パフォーマンスを演出しました。
これらの取り組みが、露出を目的としたプロダクトプレイスメントと決定的に異なるのは、大会運営に欠かせない役割としての参加です。LVMHは「スポンサー」ではなく、オリンピックを共につくり上げた存在として、人々の記憶に残りました。イベントの一部としてブランドを機能させることで、自然な敬意と共感を獲得したのです。
文化的なつながりを生むメディア
これらの事例が示しているのは、メディアを「広告を出す場所」ではなく、人々が意味を感じ、感情を動かす文化的な場として使う発想です。重要なのは、どれだけ見られたかではなく、ブランドがどのような関係を築けたか。セグロス・デル・エスタードは物語を通じて保険を身近なものにし、LVMHはオリンピック体験の一部としてブランド価値を伝えました。いずれも、説明する広告ではなく、文化的な体験を通じてブランドの意味を伝えられています。
アクション・メディア(1)「家族経営の明日」を支える
iFood - RECIPE FOR GROWTH
iFoodは、ブラジルで広く使われている、Uber Eatsのようなフードデリバリーサービスです。ブランドの成長は、提携するレストランが安定して営業を続けられるかどうかに大きく左右されます。
しかしブラジルでは、多くのレストランが家族経営。料理の腕はあっても、仕入れの量、価格設定、人手の確保など、経営面で悩む店は少なくありません。実際、店を閉じる理由の多くは「味」ではなく「どう経営すればいいかわからないこと」でした。
こうした課題に応えるためにiFoodが開発したのが「Recipe for Growth」という支援プログラムです。これは、レストランが普段使っているiFoodの管理画面に組み込まれた仕組みで、日々の注文や売上データと自動的に連動。店主は特別な操作をすることなく、「今、販促をすべきか」「仕入れを見直すべきか」「改善すべきメニューは何か」といった、すぐ実行できる具体的なアドバイスを受け取ることができるのです。
そして現在、3,000店以上がこの仕組みを導入し、改善が進んだ店舗では売上が大きく伸びるケースも生まれています。多くの店舗がこの仕組みを理由にiFoodを使い続けており、同社は単なる配達サービスを超え、日々の経営判断を支える存在になりました。
