ベンチャーと大企業の「いいとこ取り」が今のサイボウズ
1997年の設立以来、グループウェアを中心とした企業向けソフトウェアの販売で他を圧倒してきた、サイボウズ株式会社(以下、サイボウズ)。現在では、研究開発やネットワークサービス、通信関連のコンサルティング、Webソリューションなど、広く事業を展開している。
サイボウズでは、社長、青野慶久氏の「社員の働きやすさを最優先する」の方針のもと、企業としての体力がついていくのに伴い、職場環境が整備されていった。最長6年の休暇が取得でき、休暇前と同じ給与で職場復帰できる「育児休暇」や、働き方に合わせて選べる人事制度などがメディアで取り上げられ、注目を集めている。
今まさにサイボウズは、「ベンチャーと大企業のいいとこ取り」の状態にあるという。そうした環境で働く魅力や、適した人材像について、マーケティングコミュニケーション部の大槻幸夫氏と人事部の中澤智香氏にお話をうかがった。
松山市の協力を得て、地方で暮らしたいエンジニアを支援
会社設立当時、外資系企業の寡占状態だった国内グループウェア市場に、サイボウズはインターネットを使ったウェブ型で参入、低コスト及びその扱いやすさから支持層を拡大した。当初から販売している、中小規模向けWebグループウェア「サイボウズ Office」シリーズは25,000社以上、2002年からリリースしている大規模向けWebグループウェア「サイボウズ ガルーンシリーズ」は1,000社以上が導入。国内グループウェア市場でトップシェアを獲得するまでに至った。
「確かに、国内グループウェア市場ではナンバーワンですが、世界的に見ればまだまだ。今年で創業から11年目を迎え、その間にベンチャーから東証1部になり、徐々に規模も大きくなってきましたが、今はベンチャーらしさを残しつつ、大企業の良い部分も取り入れていこうという過渡期を迎えています」(中澤氏)
従業員数は210名で、平均年齢はおよそ30歳。東京に本社を構えるほか、大阪に営業所、2007年3月には、創業の地である愛媛県松山市にサポートセンターも設置している。
「松山には、サポート・開発担当を中心に、25名が勤務。ほとんどが現地採用です。エンジニアの多くは東京を始めとした都市部で働くことを余儀なくされていますが、なかには地方で過ごしたいと思っている人もたくさんいます。そういった潜在的なニーズがあり、いい人材が集まるのではないかという思いから、さまざまな地域を当たっていたところ、松山市からバックアップもいただけることになり、拠点を開くに至りました」(中澤氏)
サポートセンターでは、IT専門要員も養成。松山経済の発展も視野に入れているという。一企業の利益だけに留まらない、社会的事業にも積極的に取り組む姿勢がうかがえる。(この続きはCAREERzineでどうぞ!)