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織田浩一の近未来マーケティングガイド

第3回 MySpaceが示すティーンとSNSブランドの「危うい関係」


“誰もが使うこと”への不満

 そして、MySpaceのビデオ共有サービスを開始するに当たって、MySpaceユーザがビデオ共有サイトYouTubeRevverにあげたビデオへのリンクを削除しているという話題がブログ界を駆け抜けた。また、News Corporationによる買収などでニュースになったためか、ティーンとの出会いやセックスを狙うメンバーの話のニュースになり、共和党から学校や図書館などからのSNSへのアクセスを禁止する法案が提出された注2)。さらに、少女がMySpaceのユーザから誘拐、暴行されたということでMySpaceを訴えている。MySpaceはこれに対し、若いメンバーを守るための措置を発表している。

 ただ、これらのニュースによってティーンや20代が気づいたことは、MySpaceが一般に知られるような、それも親が見るようなニュースに出てくるようになったことだった。つまり、秘密の楽園が秘密ではなくなったのだ。それだけではなく、MySpaceがメインストリームとなり、“自分独自”の世界を求めていたアーリーアダプター達は、“誰もが使う”MySpaceをすでに見切っているという話も聞かれる。

 その現象を語る一例として、Publisher 2.0ブログのScott Karp氏は、Alexaを使ってMySpaceのトラフィックが4月に落ち始めていることを示して、「これは果たしてMySpaceの下落の始まりか」というポストを入れ、結果は12月に検証するとまとめている注3 )。

成功がもたらした買収劇、これからどこへ向かうのか?

 MySpaceは、心変わりが激しく、アテンションスパンの短いティーンや20代に受け入れられ、自分を表現できるサイトであったため、いっきに成長することができた。しかしサイトの「成功」、そしてその「成功」がもたらした「買収」が、今まで作りあげてきた“ブランド”を大きく変化させていく。これは、消費者から見て“自分でのものであるブランド”を考えるのに、興味深い現象である。

(注2)
CNET Japan 『SNSへの若年層のアクセスを規制か?--共和党議員らが法案提出』 2006/05/11
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(注3)
Publisher 2.0 『Has the MySpace Downturn Begun?』 2006/05/25
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この記事の著者

織田 浩一(オリタ コウイチ)

デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。 広告・メディアビジネスコンサルタント。米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービス、記事執筆、講演を行っている。最近では有力ブログをネットワークするAgile Media Networkの立ち上げに関与した。監修書に「テレビCM崩壊~マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0(Joseph...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2006/07/18 11:12 https://markezine.jp/article/detail/61

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