Webマーケティングとリアルの世界に共通する「7秒の法則」
SEMにおいて、ユーザーニーズと情報のマッチングを実現するため、ランディングページ(検索結果からの飛び先ページ)の改善がコンバージョン率を高める有用な手法として現在は広く認知されている。このランディングページを最適化するうえで深く関わってくるのが「7秒の法則」だ。
これは日常において、初対面のヒトの印象が7秒で決まると言われているものだが、ユーザーがWebサイトのあるページに到着してからそのページをしっかり見るか見ないかの判断を下すのも7秒であるため同様のルールとしてWebマーケティングの世界でも用いられている。
少し補足するならば近年では回線が高速化したことにより滞在時間は一層縮まり「3秒の法則」とも言われているようだ。この「一瞬」の中に、アクセスユーザーの検索意図とランディングページがマッチしていなければ、ユーザーは途端にストレスを感じ直帰してしまうだろう。そのため情報伝達に優れた魅力的なランディングページを提供しなければならないのだ。
では、あなたが運用中のランディングページについて少々お尋ねしたい。今現在の直帰率はどうであろう。正確なクエリ分析を元にキーワード選定し、ターゲット層を絞り込み、ユーザーに伝えたい訴求ポイント・キャッチコピー・デザイン/ユーザービリティといったすべての要素の整合性をとって最適化したランディングページにもかかわらず、コンバージョンに至っていない。といった状況に陥ってはいないだろうか。
このような場合は、ともすると商品そのものが悪い、またはランディングページにユーザーを留めておくだけの何らかの魅力が足りないという可能性が考えられる。商品そのものの改良はなかなか難しいが、足りない魅力を補いページを改善することによってユーザーの滞在率をアップさせることは可能だ。そのためには今まで見過ごされてきた改善ポイントに気づかなければならない。後述では、デザイナーならではの視点で改善ポイントを挙げているので、新たな気づきを提供できれば幸いである。
情報過多が不信感を招く!? 迷わせないユーザー導線の心得
メイン訴求エリアで最も大切なポイントは、限られた時間だからといってあらゆる訴求要素を盛り込んではいけないという点だ。一般的にヒトが一瞬で認識できる物の数は「3つ」が限度と言われている。情報が多すぎて処理しきれなくなるとヒトは過剰負荷に陥り、処理しきれなかった情報は不要物として排除されいとも簡単に離脱してしまうのだ。キャッチコピーが何行にも折り返すほど長文であったり、豊富な商品数アピールのため画像を何枚にも配置してしまったがため、ゴール(目標)である申し込みボタンが周囲の訴求に埋もれ、導線の確保がおざなりになっているランディングページを目にする機会が多々ある。
肝心なのは、単純な羅列だけでは情報量の多さに圧倒され伝達できないところを、いかに視覚的なリズム感を表現しユーザーのストレスを軽減しながら、商材メリットをアピールするかである。たとえランディングページ自体のインパクトが弱くても、情報が整理され内容がスムーズに入ってくればユーザーの滞在率は高まるのだ。
既に何度も最適化されたランディングページかもしれないが、メイン訴求エリアの情報がすべてであると言っても過言ではないのだ。今いちど導線の妨げとなっている余計な「何か」が存在しないか角度を変えて見直してみるとよいだろう。