都市部より地方のユーザーが積極的
携帯サイト利用者のおおまかな年齢・性別的傾向は理解できたと思う。そこで次はサービスを利用するユーザーの動向から、利用者の特徴を掘り下げていこう。
携帯サイトで最も人気のあるコンテンツは、なんといってもコミュニティサイトだ。コミュニティの代表ともいえるSNSを見ても、モバゲータウンやGREEといった大手SNSの多くがモバイル中心のサービス展開を行っているし、最大手のmixiでさえもモバイルのPVがPCを追い抜いているという状況であり、携帯サイトと非常に相性がよいことを伺わせている。そこでこのSNSのユーザー動向を分析していくことで、どのような層がモバイルを積極的に利用しているのかを探ってみたいと思う。
まずは地域属性を見てみよう。先に挙げた3つのSNSのうち、情報が公開されているmixiとGREEの地域属性、さらに日本全体の人口属性を比較してみると、ある特徴が見えてくる。mixiは関東(首都圏)が突出して多いのに比べ、GREEは日本の人口比率とほぼ同じ割合となっており、むしろ地方の比率が高い結果となっているのである。

この傾向の違いは、両SNSの発展の仕方にある。mixiは初期からPCを中心に多くのユーザーを確保して成長しており、最近ではモバイルの伸びが顕著であるものの、PC主体に利用しているユーザーも多く抱えている。一方のGREEも元々はPC向けSNSとして生まれたが、会員数は伸び悩みモバイル向けに大きく舵を切ったことで会員を急増させている。それゆえPC主体で利用しているユーザーは少数と考えられる。
こうしたことから、PCの利用者は首都圏を中心とした都市部に集中している一方、携帯サイト利用者は全国にまんべんなく散らばっている、ということがいえるだろう。
さらにモバゲータウンからも、面白い特徴を見て取ることができる。モバゲータウンのサークルには「地元の友達」というカテゴリがあり、地域別、都道府県別にサブカテゴリが分かれている。そこでカテゴリ数の数字を見ると、地域別では「関東」が最も多いのだが、なんと2番目が「九州・沖縄」、3番目が「北海道・東北」となっているのである。さらに都道府県別のサークル数を比較してみると、1位が北海道、2位が福岡、3位が大阪となっており、東京は4位と、なんとトップ3から外れているのである。

地域別サークル数(2009年2月25日時点)

県別サークル数(上位10位まで、2009年2月25日時点)
これらを総合すると、携帯サイトを積極的に利用するユーザーは全国にまんべんなく散らばっており、かつ首都圏よりも地方都市の方が熱心に利用する傾向が強い、ということがいえるだろう。