カシオが昨年発売したデジタルカメラ「EXLIM」の新製品の特徴は「メイクアップするように人の顔を美しく撮れる」というもので、顔を認識して肌のコンディションをなめらかに整え、顔の影を和らげることによって顔を美しく撮影することができる。さらに画像処理の強弱によって肌の美しさを12段階で選択し、その効果をモニターで確認しながら撮影することができる。
また、今年1月にパナソニックが発売した「LUMIX」の新製品は、あらかじめ人の顔をカメラに登録し、撮影時にその人の顔を認識して優先的にピントと明るさを合わせてくれる「個人認識」機能を搭載。単なる顔認識だけではなく、確実にその人を認識してより美しく撮影する方向を追求している。
こうした動きは昨年からプリクラでも始まっている。プリクラ機を展開しているバンダイナムコゲームスは、ユーザーアンケートで「メイクの中でもアイメイクが一番重要」「撮影前にアイメイクを直す」という声が多かったことから、「120%のデカ目革命」と銘打ったプリクラシリーズ「Jewella Eye」を展開。その最新作では、デカ目に「小顔」「ツヤ髪」効果もプラスされてパワーアップしており、華やかな少女マンガのキャラクターを起用して人気のコスメ製品「美肌一族」とのタイアップも展開している。
このようにデジカメ技術が女の子の欲望に寄り添っていく中、アバターと呼ばれる仮想キャラクターも美容整形する時代になった。ファッションコミュニティサイト「プーペガール」は、会員登録時に設定した自分のキャラクター(プーペ)の顔を変えることができる美容整形サービス 「ビューティープーペビル」を開始した。
これまでプーペガールでは、会員登録時に設定したプーペガールの顔を変えることができなかったが、ユーザーから自分のプーペをもっとかわいくしたいという要望が多く寄せられたため、今回のサービスを始めることになったという。このサービスでは仮想通貨「リボン」で支払いを行い、目や輪郭の形などを選んでプーペの顔を変えることができる。ただし、運営側は、このサービスはユーザーが自分のプーペの顔との違和感を解消してもらうためのものであり、美容整形を支持するものではないとしている。
現在、顔認識やデジタル画像処理技術の進歩は、画像としての鮮明さや美しさだけでなく、被写体そのものの美しさを向上させることにも向けられている。しかし、被写体となる女性たちのメイクアップ技術や使っているコスメ製品もすさまじい勢いで進化しており、“本当の顔”は誰にもわからない時代となりつつあるようだ。
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