前回の記事では自動入札管理ツール普及の背景について迫った。では、国内においてはどのように市場が形成されているのだろうか。
いち早く提供を開始したのは、セプテーニ
海外での自動入札管理ツールの普及から数年遅れて、国内市場においてもリスティング広告市場の拡大に伴い、広告代理店における自動入札管理ツールを利用したリスティング広告運用管理への注目が高まった。
早期に自動入札管理ツールの開発を行い、その導入を対外的に公表したのは、大手ネット専業広告代理店のセプテーニである。セプテーニは、2004年12月に、オーバーチュア対応の自動入札管理ツールを開発し、社内運用向けでの利用を開始した。
また、2006年2月には、広告代理店を介さずにリスティング広告出稿をしているオンライン広告主に向けて、オーバーチュア専用の自動入札管理ツール「Bid Master」の提供を開始した。
セプテーニ以外の広告代理店においても、社内運用で利用する自動入札管理ツールは、先進的な大手ネット専業広告代理店や、SEM専業広告代理店ではほぼ同じ時期に開発と利用が進められていた模様だ。
SEM専業広告代理店、最大手のアイレップは、2005年6月に、自動入札管理ツール「i-bidder」の開発と運用の開始を対外的に公表しているが、それ以前から社内運用向けの自動入札管理ツールを利用してきた。
このように、国内広告代理店による独自の自動入札管理ツール開発・提供が試みられた一方で、海外の自動入札管理ツールの利用としては、総合広告代理店の電通や、大手メディアレップのデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(以下、DAC)の動きが早かった。
総合広告代理店も追随
DACは、2005年8月に米国Atlas社との提携により「Atlas one point」をローカライズして提供を開始することを公表、一方の電通と米国24/7 Real Media(トゥエンティ・フォー・セブン・リアルメディア)社は2005年9月に合弁会社24-7 SEARCH(2009年1月より電通サーチ&リンク)の設立を公表し、自動入札管理ツールDecide DNAを用いたリスティング広告運用サービスを提供した。
2005年頃までの一部の事業者による自動入札管理ツールの開発とオペレーションの導入は、業界内のアーリーアダプターにあたる会社が先駆的に行ったものであると、今になり振り返ることができよう。
ただしこの時期における各社の動向が、自動入札管理ツールに対し、市場全体が注目を集める契機となり、その後の自動入札管理ツール普及へと市場が向かうための楔を打つことになったことはいうまでもなかろう。
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野下 智之(ノシタ トモユキ)
株式会社デジタルインファクト 代表
ExchangeWire.jp 編集長1983年設立の市場踏査会社、株式会社シード・プランニングの独立プロジェクトとして、2014年10月にデジタルインファクト(Digital InFact)を設立、2016年4月に法人化。
デジタル領域を対象とする市場・サービス...
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