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MarkeZine Day Premium 2009レポート

現場担当者がホンネで語るデータ活用最前線


どのような分析を行い、どのようにデータを活用しているのか?

 第3問では、どのように分析を行いデータを活用しているのか、そして一番聞きたい部分である効果について聞いた。

 清水氏 中期計画がありますので、あるべき目標に対して現状がどの状態にあって、目標と現状のギャップの原因を見つけるのが分析の大きな目的です。とはいえ、多分仕事の約8割はクロス集計をしています。日次・週次・月次の定型分析が業務の3割で、そこから判明した課題に対する非定型な分析が約3割。さらにそこからコミュニケーション戦略を組み立て、あるプロモーションを実施した後にその結果の分析も行っています。それも約3割。

 店舗に関しては、特にHMVブランドを知ってもらうコミュニケーション戦略をずっと行ってきましたが、マスマーケティングの時代に比べセグメントに関しては2~3倍の効果が、One to Oneの場合は高いもので3~6倍、平均して4~5倍のレスポンスが得られています。

 箕輪氏 基本的に週単位での集客状況の分析、ゴルフ場予約や用品の販売といった購買状況を分析・アウトプットしています。その状況をふまえて、KPIの要因分解図を作成し、どこに好調・不調の要因があるのかブレストしてターゲットを明確にします。

 例えば、ある特定の層が動いてないようだという仮説が出てきた時に初めて分析を行い、逆に施策を打たないところには、分析に時間をかけません。あるセグメント層に対してどのような施策を打てるのかをブレストし、実際に施策に落とし込んでいます。そこで、重要なのは効果です。その施策による効果予測を過去のシミュレーションや近い施策で傾向値をだし、施策を打った効果が想定したものに対してどのような結果を出したかを重要視しています。例えば、トップページのボタン配置を変えてクリックレートがどのように改善したかなどを日々行っています。

 保坂氏 HMVジャパンさんやゴルフダイジェストさんとは若干ポジショニングが違うのかなと感じていますが、私の場合は社内に使えるデータがありますか? というところから仕事が始まります。製品を買ってもらいたい、MCP(資格者試験)をもっと受けてもらいたい、ライセンス体型に対する認知を上げたい、イベントに集客したいなどのさまざまなニーズに対して、そのニーズにあったデータを見つけ、プロファイリングし、どのデータを使ってどのような効果を上げていくかというコンサルをしています。すぐに売り上げを上げたいというニーズもあるので、営業部隊のサポートが2番目の業務ですね。

 また、マイクロソフトにあるデータは間接販売を行う過程で得たデータを元にしているため、そんなにきれいではありません。IT部門とどのように会社の中でデータを使っていくのか、作っていくのかというのを話すことに仕事の1/3を使います。データのクオリティは決まり事がないとどんどんクオリティが下がります。データを使うシナリオをIT部門に提示し、IT部門から営業などにデータをこう入れましょうと提案していただいていますが、そういう所にきっちり時間をとるのは大事だと考えています。

まとめ

 白井氏 分析が目的になると分析のための分析になり、分析したことで満足してしまいがちです。分析結果を活用してプロモーション結果が出せることが重要ですので、ゴールを意識しながら分析を組み立てていくことで、効果的な分析ができます。パネラーの方々は、分析結果をプロモーションにかなりうまく活かせているのではないでしょうか。

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分析のための分析に陥ることなく、できることから始めることが重要

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この記事の著者

田中 裕子(タナカ ユウコ)

フリーライター。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/11/06 17:44 https://markezine.jp/article/detail/7235

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