急成長するThreadsのプロモーション活用に挑む理由
━━Threadsの認知が急速に高まる一方、広告出稿先としてのポテンシャルは読者にとっても未知数な部分が多くあります。プラットフォームとしての特徴や魅力を教えてください。
西川:Threadsは現在グローバルで月間5億ユーザーを超えており、日本国内でも前年比で利用時間がプラス130%成長している非常に順調なプラットフォームです。特徴としてはユーザー同士の会話が活発で、ネガティブなコンテンツをアルゴリズムが評価しにくいため、極めて健全な環境が保たれています。
広告面における最大の魅力は2点あります。1点目はCPMが非常に安価で、低いコストでインプレッションを獲得できること。2点目は、FacebookやInstagramとは異なる「新規オーディエンス」へアプローチできる点です。利用目的や行動特性が異なるため、既存チャネルではリーチできなかった層へ広告を届けられます。
栗田:現場の感覚としても、Threadsはコメント欄が非常にアクティブな印象ですね。投稿者とユーザーがフラットにコミュニケーションを取る文化が醸成されていると感じます。
━━プラットフォームが成長する一方で、業界全体にはどのような課題感があったのでしょうか。今回、両社がタッグを組んだ背景をお聞かせください。
西川:Threadsはプラットフォームとして急速に伸びているものの、広告の「勝ち筋」や再現性のある成功事例はまだ業界全体で限られていました。さらに、Threads単体での意図的な広告出稿が難しい仕様であるため、広告主や代理店単体では効果的な検証を回しにくいという課題があったのです。
そこで、SNSマーケティングに精通し、クリエイター起用から広告運用までSNSネイティブな知見を持つナハト様に共同検証プロジェクトを打診しました。ナハト様は検証のスピードと質が非常に高く、ビジネスパートナーとして全幅の信頼を置いています。
栗田:SNS領域でこれほど多くのMAUを持つ新たなプラットフォームが誕生することは滅多にありません。Threadsという「新チャネルの開拓」に時間とリソースを投じるべきだと判断し、即座にご一緒させていただくことを決めました。
オーガニック×広告で「勝ち筋」を確立する4フェーズ
━━今回の検証プロジェクトの全体像と、両社の役割分担について教えてください。
栗田:本取り組みは、成果を科学するために明確な4つのフェーズに分けて進行しています。
- フェーズ1:クリエイターによるオーガニック投稿の検証(Instagram施策の横展開と反応差の測定)
- フェーズ2:Threads配信面の「ON/OFF」によるABテスト(配信有無での効果比較)
- フェーズ3:クリエイティブや運用表現の「Threadsナイズ」(テキスト・静止画の最適化)
- フェーズ4:ダイレクト獲得におけるベストプラクティスの確立・展開
Meta様からは最新のプラットフォーム情報やロードマップ、仮説のご提供をいただき、弊社がクリエイターのアサイン、クリエイティブ制作、実際の配信・データ検証を担っています。
西川:単なる1営業担当レベルの取り組みではなく、Meta日本法人の「Threadsタスクフォース」のリーダーやクリエイティブ専門チーム(Creative Shop)も交え、ナハト様とワンチームで定期ミーティングを重ねる一大プロジェクトとして推進しています。

━━従来のSNS広告やInstagram施策と比べて、Threads特有のクリエイティブや運用のポイントはどこにあるのでしょうか。
栗田:某飲料ブランドでの検証を例に挙げると、Instagramの世界観を作り込んだ動画クリエイティブとは異なり、Threadsでは「独り言風」の投稿や、手が止まるアイキャッチ画像が強い反応を示しました。
具体的には、1枚目に独り言のようなフックとなるテキストを置き、気になったユーザーをコメント欄へ誘導する設計です。Threadsユーザーには「気になったらコメント欄を見に行く」という文化があるため、第三者同士のコメントも含めて会話を盛り上げることで投稿自体を育成していくアプローチが非常に効果的でした。
他プラットフォームと比べると、日常の独り言をきっかけにやり取りできる「コミュニティ性」の高さもThreads特有の魅力ですね。
西川:アルゴリズム的にも、対立を煽るコンテンツは評価されにくい構造になっています。Threads全体のインプレッションの50%以上がコメント欄の会話に割かれているというデータもあり、投稿に連なる対話そのものが伸びていくのが大きな特徴です。
「静止画×テキスト」でThreads面の最適配信をつかみとる
━━Threads広告の勝ちパターンを構築する上で、どのような壁があり、それをどう突破したのでしょうか。
栗田:最大の障壁は、「現在の仕様では自動最適化が主で、Threadsだけに絞って広告配信をする設定が存在しない」というプラットフォーム上の制約でした。通常の運用で多く使われるショート動画を配信しても、自動最適化によってほとんどがInstagram面に寄ってしまい、Threads面に露出しないという問題に直面したのです。
そこで「どうすればThreads面に配信が寄るか」を仮説検証しました。突破口となったのは、ショート動画ではなく「静止画×テキスト」のフォーマットに切り替え、プレースメントを「Instagramのフィード」と「Threadsのフィード」に限定したアプローチです。Threadsの画角やテキスト文化に最適化させたクリエイティブを投入したことで、配信ボリューム全体の約25〜30%をThreads面に寄せることができるようになりました。
━━ダイレクトレスポンス目的での出稿において、配信アルゴリズムの挙動などから見えてきた気づきはありますか。
栗田:Threadsを配信対象(プレースメント)に含めるかどうかのA/Bテストを行った際、非常に面白いデータが得られました。
消化金額自体はThreads面が全体の一部にとどまっていても、「Threadsを選択肢に含めたキャンペーン」の方が、含めない場合よりも明らかにCPAが低く、CVRが高くなったのです。つまり、Threads面単体での直接獲得だけでなく、配信面にThreadsを加えることでMetaの機械学習アルゴリズム全体の最適化の幅が広がり、パフォーマンス向上に寄与しているという事実が判明しました。
現時点では、直接指定配信ができない制約を逆手に取り、AD(広告)はInstagramとのハイブリッド設計、インフルエンサー投稿はThreads特有の文化に寄せたフォーマットというように、役割を戦略的に切り分けて検証を進めています。
CPA15.6%削減、単一投稿で数十件獲得!最前線で見えた定量成果
━━一連の運用検証によって得られた、定量的な成果や手応えについて教えてください。
栗田:まずリーチ面では、全体の約30〜40%が「インクリメンタルリーチ(純増したオーディエンスへのリーチ)」という結果が出ています。既存の広告運用では同じユーザーに何度も露出して摩耗してしまう課題がありますが、CPMが安価なThreadsを活用することで明確に新規顧客層を拡張できています。
そして獲得単価(CPA)においては、Threadsを配信面に含めた通常配信が、除外した配信と比較してCPA約15.6%低減という優れた数値を実証できました。獲得件数(CV数)自体もThreads含みのアカウントが上回っており、パフォーマンス改善への貢献を確信しています。
西川:インクリメンタルリーチやCPMの安さに関してはMeta側のグローバル検証データとも合致していますが、ナハト様の実績はプラットフォーム全体の平均値と比べても非常に高い水準です。アルゴリズムの特性を捉え、再現性高く成果を出されていると感じます。
━━象徴的な成功事例や獲得に直結したパターンがあればご紹介いただけますか。
栗田:2つの事例があります。1つ目は全国展開する店舗チェーン様の広告運用案件で、「静止画×Threadsフィード」に配信を寄せた結果、コンバージョンが継続発生し、広告消化金額の実に3分の1がThreads経由で消化される着実な成果を上げました。
2つ目は、某飲料ブランドにおけるインフルエンサー(クリエイター)起用施策です。直近のThreads投稿で数十万表示のバズを記録していたクリエイターをアサインし、Threadsの対話文化に合わせたPR投稿を実施しました。その結果、投稿からわずか12時間ほどで定期購入が数十件獲得できるという実績を叩き出しました。
「なんとなく投稿する」のではなく、「バズっている投稿の熱量を狙って獲得に転換させる」という、ダイレクト施策としてのThreads活用に大きな手応えを得た瞬間でしたね。
InstagramとThreadsは「勝ち方」が違う。制作コストを抑えた高速PDCA
━━マーケターがThreads広告で即実践すべき「押さえるべきポイント」をどう整理されていますか。
栗田:InstagramとThreadsでは、クリエイティブにおける「勝ち方」の構造が根本的に異なります。

Instagramが「冒頭1秒の映像表現」で惹きつけるのに対し、Threadsは「手が止まるアイキャッチ画像」と「1行目のテキスト」が勝負の分かれ目になります。
また、完璧に説得しようとせず「問いかけ」や「独り言風」にとどめ、ユーザーがコメントできる余白を残すことが、投稿全体の拡散とコンバージョンを引き出す鍵になります。リッチな動画制作が不要な分、テキストの差し替えで日次レベルの大規模な検証を高速で回せる点は、ダイレクト運用における圧倒的なメリットです。
西川:Metaの自動化技術が進化する中、運用者が意図を反映できる最大のレバーは「クリエイティブ」です。Threadsの文化やアルゴリズムを深く理解し、スクロール停止率を高める1行目の工夫や「読了させる文章構成」をクリエイティブに落とし込むことが非常に重要と言えます。
━━Meta様から見て、ナハト様がこれほど短期間でベストプラクティスを確立できた勝因はどこにありますか。
西川:検証のスピードと仮説立ての質の高さです。ナハト様は成果報酬型の運用モデルや自社事業での検証基盤を持っているため、自社判断で迅速に検証を実行できる組織構造の強みがあります。
さらに、SNSへの深い知見から「事例がない状態」でも筋の良い仮説を複数立てられる。定性・定量の両面から百発百中を求めずに高速でトライ&エラーを回す姿勢こそが、今回のベストプラクティス構築を後押しした勝因だと捉えています。
ダイレクトマーケティングの新たな必須チャネルへ。両社が描くThreadsの未来
━━Threads広告をさらに進化させていくための今後の展望をお聞かせください。
栗田:Threadsにおけるダイレクトマーケティングは、まさに今、業界全体がスタートラインに立ったばかりのフェーズです。Instagramのやり方をそのまま横スライドするのではなく、Threads特有のテキスト文化やユーザー心理をどこよりも早く解釈し、泥臭く検証を回し続けたいと考えています。
特に、ショート動画やクリエイティブの制作コスト高騰に悩む広告主様にとって、テキストと静止画の組み合わせでスピーディーにPDCAを回せるThreadsは非常に魅力的です。生成AI等を活用したテキスト・クリエイティブの量産や改善サイクルとも相性が良いため、最前線でノウハウを蓄積し、「プロモーションで成果を出すならThreadsも外せない」という標準的な手法として確立させていきます。
西川:Metaとしても広告機能のアップデートや最適化の改善を継続的に進めてまいります。プラットフォームとしてのポテンシャルは間違いないため、マーケターの皆様にはぜひ新たな獲得チャネルとして挑戦していただきたいです。
━━最後に、Threadsの活用に踏み出せずにいるマーケターや企業に向けてメッセージをお願いします。
栗田:僕たち自身、Meta様からお声がけいただくまでThreadsの急速なユーザー増加とダイレクト領域でのポテンシャルに気づけていませんでした。「本当に売れるのか」と半信半疑な企業様こそ、まずは広告キャンペーンの配信対象(プレースメント)にThreadsを「ON」にして追加することから始めてみてください。アルゴリズムの最適化がかかることで、全体のCPA改善を実感していただけるはずです。
ナハトはMeta様と強固に連携し、リアルなデータに基づいて「狙って成果を出すロジック」を検証し続けています。Threadsを自社の成長を加速させる新たな武器にしたいマーケター様は、ぜひナハトをパートナーに選んでいただければ嬉しいです。

