なぜ「人の想起」と「AIの推薦」に乖離が?AI時代に求められる両輪戦略
なぜ「人の想起」と「AIの推薦」に乖離が生まれるのか。
この背景について、AIの推薦がどのように成立しているのか、参照ソースなどを辿っていくと、いくつかの仮説が見えてきました。ひとつは、人の想起に寄与しているブランドアセットが、AIにはうまく拾われていないのではないか、ということです。特に非言語のコミュニケーション、たとえばサウンドやビジュアルで表現される価値は、言語による情報に比べてAIが参照しにくいという現象が、いくつかの領域で見受けられます。
また、言語情報であっても、具体的でなかったり定量的でない曖昧な情報にとどまった場合、AIの参照が限定的になってしまうのではないか、ということも背景として考えられます。この点については、より幅広いカテゴリーでの研究を通じて、さらに仮説検証を重ねていく必要があると考えています。
「人の想起」×「AIの推薦」をどう両立するか。この問いは、あらゆるブランドにとって重要なテーマです。そして、このテーマに向き合ううえで最も重要なのは、CEPという切り口で「ブランドの現在地」を正しく理解することだと考えています。具体的には、「どのCEPで人に想起されるか?」「どのCEPでAIに推薦されるか?」――この理解から、自社ブランドがどのようなコンテンツ、コミュニケーションを実現し、ブランドアセットを蓄積し、パーセプションを作ってきたかを、改めて捉え直す必要があります。
同時にどのCEPで想起、推薦されていくのかという戦略を明確にした上で、コンテンツを人にもAIにも届く形で提供していく、いわばマルチフレンドリーなブランドコミュニケーションが求められていくと考えています。
計測条件
生活者調査:suswork。カフェカテゴリー調査(2026年4月実施・n=5,000)、歯磨き粉カテゴリー調査(2026年1月実施・n=5,000)。いずれも20CEP・10ブランド・助成想起・複数回答。
AI実測:株式会社X-Ops「PromptCensus」。カフェは4エンジン(ChatGPT・Gemini・Perplexity=2026-W31、Claude=2026-W34)、歯磨き粉は同じ4エンジン・2026-W33計測。いずれもCEPごとn=48。ブランド名は一切提示せず、利用場面のみを示して質問。生活者調査(1月・4月)とAI実測(7〜8月)には時点のずれがあります。AI実測はCEPごとn=48のため、各セルの数値には一定の誤差幅があります。本記事の数値は傾向を示すものであり、セル間の差について統計的有意性の検定は行っていません。
シェアの扱い:人の「あてはまるものはない」を人側シェアの分母から除き、行合計100%どうしのシェアとしてAIと比較しています。AI側は自由回答のため、対象10ブランド以外への言及は分母に含めず、10ブランド内のシェアに正規化しています。
