代理店やコンサルという第三者の役割
一般に、企業内のワークショップはどこか予定調和的に終わることが多いのですが、当社が進行を担う際には、できるだけ、核心に迫る提言を盛り込むように腐心しています。第三者であるわたしたちがプロジェクトに参画する意味はそこにあるからです。
こうした「本音」をどこまで引き出せるか、社員ひとりひとりが納得感を持って掲げた「総意による約束」が土台にあって初めて、かっこいいコピーやおしゃれなクリエイティブが活きてきます。ロゴやタグラインなど、外形的な装飾や説明文だけ整えても、早晩、剥がれ落ちてしまいます。こうした本音の議論、核心に迫る議論のためには、「人間と約束」くらい、分かりやすいフレームのほうが使い勝手が良いのです。
こうした議論を経た本プロジェクトは、それぞれ、以下のような便益がもたらされました。
| 経営企画 | マーケター |
|---|---|
| ・新中期経営計画へ顧客第一主義をベースとした「ブランド価値」の説明を初めて追加 ・企業価値を生み出す現場感の理解、把握 |
・ブランドについて検討する初めてのタイミング獲得 ・競合優位性を含むコーポレートブランドと個別ブランドの初めての連携検討 |
| ・経営企画主導で、コーポレートブランド施策の実施 | ・個別ブランドを支援するコーポレートブランド施策を経営企画の予算で共同実施 |
| 自社のブランドの価値の言語化、社内/社外に対するブランド価値発信の構造化、過去実績の伝承も含めたインナー向け施策の実施等 | |
今回のまとめと次回に向けて
この記事では、冒頭、第三者への説明責任を負う経営企画が、「ブランド」を検討するタイミングは実はマーケターにとっても有用である点に言及しました。その上で、経営企画とマーケティングが協働でブランド戦略を検討していく方法として「人間と約束」のフレームワークをご紹介しました。そして当社でご支援した経営企画とマーケティング協働によるブランド戦略策定プロジェクトの事例から、このシンプルなフレームを用いて、「関与者の総意による本音の約束」を引き出すプロセスを概観しました。
さて、今回は当社独自のフレームを用いた共通言語の立ち上げと議論を見てきましたが、次回は一般に公開されているフレームワークを用いた方法をご紹介します。もしかしたら名前くらいは聞いたことがあるかもしれません、統合報告書に収められている「価値創造プロセス/ストーリー」です。
この記事は参考になりましたか?
- 経営企画とマーケティングで考えるCX・ブランディング連載記事一覧
-
- 経営企画とマーケターがブランドについて共通言語で議論できる「人間と約束フレーム」
- 経営企画から見たブランドと、マーケターの考えるブランドは何が違う?
- この記事の著者
-
菅原 賢一(スガワラ ケンイチ)
デロイト トーマツ パブリックグッド株式会社 会長/ファウンダー
1975年岩手県生まれ。プラップジャパン、インテグレートを経て、2013年にソーシャルマーケティングを手掛ける株式会社パブリックグッド設立。日本PR協会主催PRアワードグランプリ「ソーシャルグッド部門」にて2020年ブロンズ、2021年シルバー受賞。※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
