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刺さらなければ広告じゃない! WebマーケッターのためのDirect Marketing講座

本当のターゲットはどこにいる? DRM的“弓矢“の撃ち方


DRMを最大化する3つの作業

 と、ここまで語って申し訳ないのですが、この考え方は理想論です。

 なぜ理想論なのかというと、現実的には[A]と[B]は別個の要素と捉えられており、単独でプロモーションに活用されている場合が多いからです。

 また、マス広告だって別にいい加減な目標で作ってあるわけではありません。広告宣伝ツールを作る際には綿密にターゲット層を想定し、ペルソナを設定します。また、掲載メディアを選別することで対象層を絞ることだって可能です。それでも実際に誰がどのように購入してくれたのか、なぜ購入してくれたのかまではわからないのが実情でしょう。

 2ページ目の矢の例えで言えば、「この辺にこんな感じの獲物がいるはずだ」と予想して暗闇に矢を放っているようなものかもしれません。その的中率に多少の差はあっても、根本的には「放った矢の行方は矢に聞いてくれ」と言うほかにないのですから。

 もうおわかりでしょう。「矢」というのは企業が発信するメッセージです。新製品情報かもしれません。ディスカウントやセールの情報かもしれません。そのツールが仮にダイレクトメール(またはE-mail)だとしましょう。

 ヒモ無しでランダムに放てば、それはただのマス広告で、即ゴミ箱行き。狙いを定めて放ったヒモ付き矢に当たった顧客が「俺は当たったぞ」と表明してくれ、なおかつヒモを引っ張ってくれればDRM…、結構大変な作業でしょう?

 つまり、その情報提供施策がDRMとして最大の効果を発揮するためには、次の3つの「大変な作業」を満たしていることが必要なのです。

1 矢に当たり、かつヒモ伝いに商品を引っ張ってくれる潜在顧客を見つけ出す
  ロジックの開発(User Insight(注2)とSegmentation)

2 自分に刺さっているものを思わず引っ張りたくなる矢の開発(Messageの最適化)
3 かすかな力で引っ張れて途中で切れないヒモの開発(Conversion Toolの開発)
DRMの3つの「作業」

 なんだか面倒くさそうな雰囲気が漂ってきました…が、実際はそうでもありません。そのあたりも含め、[A]の世界についての解説と、[B]の具体的手法については次回以降に詳しく述べていきたいと思います。

注2 User Insight
プロスペクト(見込客)層の無意識の志向を読み取り、既存の商品またはサービスに誘導すること
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この記事の著者

杉山 実(スギヤマ ミノル)

株式会社 電通ワンダーマン インタラクティブマーケティング部 シニアプロデューサー。Reader‘s Digestを皮切りに外資系代理店、大手出版社で広告制作とダイレクトマーケティング、企画・編集を担当。コンテンツビジネスのJVなどを多数手掛け、マーケティングとデジタル・ソリューションの間を行き来する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/03/28 18:06 https://markezine.jp/article/detail/912

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