数値の信頼性が低くて判断できない
やたら数値を気にする人がいます。他のツールや他の情報元と1%違うだけで大騒ぎし、「どっちの数字が正しいのか?」「こんな精度では判断ができない」「他の数字もおかしいのでは」「Webなのにちゃんと数字を取れないのか」…、こういう話、疲れますよね。
「アクセス解析ツールで計測できる数値は完璧でない」
という点さえ理解して貰えれば、この問題に関して大半は解決したします。
「完璧ではない」という事を話す前提として、アクセス解析ツールの設定上のミスがないかの確認は必ず必要です。タグの入れ忘れ、広告コードの付け忘れ、そもそも正しく導入されているか? という検証がある程度済んでいる事が前提です。本連載ではこの検証方法については取り上げていないのですが、地道な作業として導入時に必ず行っておく必要があります。
まず、この前提がクリアできた上で、精度に関していろいろ言ってくる人への説明例は次のとおりです。
精度に関して文句を言ってくる人への想定回答
「データの精度は何と比較して悪いのでしょうか? 視聴率、実際の雑誌の販売数、持っている売上データ、モニターによるアンケート結果でしょうか? アクセス解析で計測できる数字は完璧ではないが、他の仕組みと比べて精度が著しく低いわけではありません。例えば、視聴率はごく一部のTV閲覧者を元に数値を出しています。それに比べたらアクセス解析は一部計測できない人もいますが、ほとんどのアクセスのカウントは可能です」
「アクセス解析ツールで取得できていない情報や通常想定されない動きは、サイト全体のアクセス比率から見たら極めて限定的です。時間をかけてログを細かく追っていくことによって、その事象は説明できますが、そこに意味はあるのでしょうか? また、ツールとして怪しいという疑念は、ツール自身のバグだったら問題ですが、それ以外の理由に関しては、説明できます」
「もちろん、PV数が少ないサイトでは1つや2つのズレが比率的に大きくなる可能性はあります。しかし、そこを細かく検証していく暇があったら、サイトへの流入やコンバージョンを増やす方に時間をかけて、その比率を結果的に下げてしまうのがよいのではないでしょうか」
「別のツールを入れても精度は上がりません。『より正確なアクセス解析ツール』はありませんし、必ず同じ問題にぶつかります」
「アクセス解析ツールは実数値を見るものではなく、傾向と変化を見るためのツールです。ずれが一定であったり、ごく一部のデータが『おかしい』状態にあっても、傾向と変化をみるという観点からすると、大勢には影響がないケースがほとんどです」
少し乱暴な説明と感じる方もいるかもしれませんが(笑)、数値の精度について延々と議論したり検証したりする事は不毛な場合が多いことは事実です。
- 確かに完璧ではないがそんなに外れてもない
- 他のデータも100%正しいのか?
という2点を念頭に置き利用をする事を理解してもらえる事を願っています。
さて、今回はここまでとなります。次回は残りの2項目についての説明になります。そして、次回がこの連載の最終回となります。1月19日(火) 11:00に公開予定ですので、ぜひお楽しみに!
