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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

タウンページをヒントに起業した「データ復旧センター」のチャンスを逃さない事業の進め方

Q 退職後、すぐに事業を立ち上げたのでしょうか?

 そうです。山口県の自宅兼オフィスに、現在のデータ復旧センターの前身である「パソコンレスキュー」という会社を立ち上げました。当時は、パソコン出張設定や家庭教師を請け負っていました。

 なぜ、パソコン出張設定・家庭教師かというと、週末を利用して図書館に行き、パソコンにかかわる会社やその規模感を全国のタウンページを使って調べたところ、山口県にはパソコン出張設定・出張教育という業態の事業を行っている会社が1社もなかったからです。ようは、「今山口県でパソコン出張設定をやればパソコン設定事業のイニシアチブがとれる」と。

 これはいけるだろう、と思いましたね。

 その頃、今のようにインターネット広告もないような時代だったので、山口県の新聞広告で空き枠のあるときに数万円程度の激安で出稿させてもらっていました。ただ、毎回原稿やデザインを変えるための時間もお金も無かったので、1つの原稿を媒体社に預けっぱなしにして、空いているときにちょこちょこ出稿してもらっていました。

Q その後、福岡県へ進出したわけですね?

 山口県と同様、当時もう1県だけパソコン設定の事業を行う会社がない県がありました。それが福岡県でした。

 福岡県にアプローチする手段として、大きな広告枠に出稿することを決意しました。ただ、決意だけはしましたがお金はありません。そこで、電話帳の広告枠を取り扱う会社に電話し相談することにしました。

 福岡県と山口県の電話帳に掲載できる大きな広告枠は当時50~100万円しました。50~100万円という大口発注だったので、広告会社の部長がわざわざ山口県のオフィスまで来社してくれたのですが、打ち合わせ用の机もなく、お茶を畳の床に置いての商談でした。こちらの熱意が伝わったのか、広告会社にとっては売掛でしたが、何とか掲載許可を得ることができました。

 しかし、電話帳というものは基本的に1年に1回しか発行されません。掲載されるまでの1年間、同業他社から申し込みが入っていないかを常に電話で広告会社に確認していました。結果、福岡県でもパソコン出張設定という業態では、1社独占で広告出稿ができました。

 そのお陰で、安定的に問い合わせをもらえるようになりました。営業に出ていることが多くなったので、問い合わせ電話はすべて私の携帯電話に転送して、やりくりしましたね。

 そのように日々忙しく働いているうちに、ある東京のIT企業が、その企業のインターネット関連サービスを購入すると、パソコンの設定を全国何処でも無償で行うと打ち出していることを知りました。

 このニュースを見たとき、ピンと来ました。全国と言ってもパソコンサポートを山口県で行っているのは私だけです。そうです。「この企業、山口県では実は困っているのでは?」と思ったのです。

 早速、その企業に電話したところ「明日東京に来い」と言われました。実はこのときが、生まれて初めての“飛行機”と“東京”でした。当時、会社の残金は10万円だったので、そのうちの半分を飛行機と宿代に使いました。

 その会社との商談はうまくいき、山口県だけでなく、ラッキーなことに福岡地区での仕事も頂くことができました。結果は大成功でした。

 その後は、1日に1人で最高13件仕事を受注する日もあり、毎日夜中まで仕事という状態になりました。こうして、少しずつではありますが会社は大きくなっていきました。

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Q どのようにして現在のデータ復旧サービスに行き着いたのでしょうか?

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/02/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9687

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