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オーバーチュアが語る「新スポンサードサーチ」のすべて 激変するSEM(2)


キャンペーンの自動運転を行う「目標管理機能」

 移行当初は、正規代理店を通じて利用している広告主限定で提供される機能だが、新システムに搭載されるこの「目標管理機能」はかなりのスグレモノだ。
 これは、キャンペーンの目標値となるいくつかの指標、具体的には、

  • CPM(Cost Per Mill)
  • CTR(Click Through Rate)
  • CPA(Cost Per Acquisition)
  • ROAS(Return On Advertising Spend)

 これらの値と相対的な重要度を設定するだけで、今まではその都度手作業で行っていたキャンペーンの各設定、具体的には

  • 広告掲載の切り替え(オン/オフ)
  • キーワードの入札価格
  • 検索方式(部分一致/完全一致など)

 を自動的に調整してくれる機能なのである。自動車の運転に喩えれば、まさに「自動運転」。この機能と先に説明した「広告テスト」「広告最適化」などを組み合わせて活用することで、キャンペーンの管理に割いていた時間がかなりの部分削減できてしまうだろう。浮いた時間の分、マーケティング担当者は本来の業務に専念すればよい。

マーケティング支援に特に役立つ新機能
目標管理機能 CPAや順位など目標値とそれぞれの目標の優先順位を指定するだけで、広告の掲載頻度や入札価格を自動的に調整できる機能。クリエイティブの最適化と同様、担当者を煩雑な作業から解放するだろう
解析機能の高度化 コンバージョンやCPAなど広告効果の詳細な把握の他、「アシスト」と呼ばれる間接的な効果も追えるようになる(広告をクリックした直後ではなく、後日生じたコンバージョンの把握など)

 最後に、ここでは詳しく紹介しきれなかったその他の特徴もまとめておこう。

その他の新機能
管理画面の刷新 キャンペーンの概要が一望できる「ダッシュボード」をはじめ、タブで切り替え可能な管理画面はかなり使いやすくなった。Ajaxでサクサク動くグラフィカルなインターフェイスも魅力的だ
広告審査のスピード化 最短の場合、送信してから数分以内に掲載されるようになる。スピードを要求されるキャンペーンにはとても便利
※広告キーワードや広告文によっては数日必要
順位決定方式の変更 入札価格に加え「品質インデックス」と呼ばれる数値が掲載順位の決定要素に加わるため、キーワードや広告クリエイティブの改善がより重要になる
※全アカウントが新システムへ移行した後に変更が行われる

 このように、新スポンサードサーチで提供される機能を活用することで、今までは人手で行っていた作業のかなりの部分が自動化され、担当者の作業負担は軽減される(そうなってくると、担当者に要求されるスキルは、検索連動型広告のシステムへの単なる習熟ではなく、基本的なマーケティングセンスになってくるので、一概に「楽になる」とは言えないが……)。

 ここまでに紹介したように、オーバーチュアの新たなシステムは、単なるリニューアルではなく、全面的に新しいシステムへの切り替えといっていいほど、既存のものとは大きく異なっていることがわかる。特に、グーグルのアドワーズ広告に出稿していない広告主は、新しいシステムに馴染むまでに多少の苦労があるかもしれない(アドワーズ広告に習熟した人は戸惑いが少ないだろう)。

 主力媒体としてYahoo! JAPANを有する強みをもつオーバーチュアではあるが、率直なところ、操作のし易さや設定のきめ細かさでは、グーグルのアドワーズが優位な印象だった。しかし、オーバーチュアの前身であるGoto.comが米国で創業されたのは、実に10年近くも前のこと(1997年9月)。ライバルであるグーグルに数年先んじて検索連動型広告のフロンティアを切り開いてきた同社のシステムに古さが目立っていたのは、無理もないだろう。

 しかしそんな印象も、今回の「新スポンサードサーチ」により大きく変わるはずだ。さらに、同社によれば、新システムをベースに今後もさらなるバージョンアップが予定されているとのこと。

 オーバーチュアが牽引する検索連動型広告の動向からは、今後も目が離せなさそうだ。

オーバーチュア: http://www.overture.co.jp/
オーバーチュア公式ブログ: http://blog.overture.co.jp/
「新スポンサードサーチ」情報サイト: http://www.overture.co.jp/ja_JP/upgrade.php

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/01/16 19:59 https://markezine.jp/article/detail/991

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