WPPの一員であるVMLは、グローバルの消費者調査「Future Shopper Report 2026」を発表した。今年で10年目となる同調査は初めて日本が本調査の対象国として参加した。
グローバルで58%がAIの製品推奨を裏取り
調査からは、AIに対する消費者の不信感や警戒感の高まりと、ブランドやコンテンツを鋭く見極める消費者目線の厳しさが見られる。
- 82%の消費者がAIの利用経験を持つものの、主な用途は日常的タスクにとどまり、AIによる自動購入には至っていない。
- 58%が、AIが提示する製品推奨を信用せず、購入前に異なる情報ソースで裏取り(クロスチェック)を行っている。
- 49%が、AIで生成された製品画像はブランドへの信頼を低下させると回答。48%が「AIが作成されたと思われるコンテンツをスキップする」と回答。
- 53%が、AIのショッピングツールが何らかの商業的な影響を受けていることを懸念。55%が、スポンサー付きの検索結果により「最適な製品を見つけにくくなった」と回答。
- 33%が、「AIによる買い物代行を許可しない」と回答。
日本の消費者はAIに対して慎重姿勢
今回初めて調査対象となった日本のデータからは、グローバルトレンドと比較して「世界最高水準のAI慎重姿勢」と「高い体験品質への要求」が浮き彫りになった。
- AIへの強い警戒感:「AI生成画像でブランド信頼が低下する」割合はグローバルの49%に対して日本は59.7%(約6割)、「AIコンテンツの回避」はグローバル48%に対し日本は57.8%、「AIへの購買代行拒否」はグローバル33%に対し日本は44.8%と、いずれもグローバル平均を大きく上回る慎重姿勢を示している。
- EC体験と個人情報への厳しい目線:使い勝手の悪いEC体験による購入離脱率は、グローバル41%に対して日本は56.6%と高水準だ。また、「収入と引き換えの個人情報提供」を容認する割合はグローバル40%に対して日本はわずか18.2%にとどまる。
- 日本独自の欠かせない贅沢品:贅沢品の優先順位について、海外で「衣類・コーヒー・美容」が上位に並ぶ中、日本では独自の文化・生活様式が反映されている。具体的には、「本・書籍・電子書籍」「ゲーム・エンタメ」「外食・カフェ体験」が上位に挙がり、節約志向の中でも知的体験や娯楽を重視する傾向が見られる。
グローバルレポートの5つの主な発見
グローバル全体では5つの傾向が見られる。
- 経済的プレッシャーによる購買行動の見直し:消費者の10人中約6人が「これまで以上に大きな経済的不安を抱えている」と回答。結果、多くが可処分所得を削減し、サステナビリティに配慮した商品への比重を減らしている。消費者はより慎重に買い物の優先順位をつける一方で、衣類、コーヒー、美容といった自らにとって欠かせない贅沢品は死守しようとする姿勢が見られる。
- 検索は依然として不可欠:消費者がデジタルプラットフォームに対してより懐疑的になっている反面、検索エンジンは製品の最大の情報源としての地位を取り戻している。44%が「過去1年間で検索品質が低下した」と回答し、55%が「スポンサー付きの検索結果によって、最適な製品を見つけるのを難しくなった」と考え、47%が「お気に入りのオンラインプラットフォームが時間の経過とともに悪化している」と感じている。
- 個人情報の価値を見直す消費者:消費者の10人中4人が、「リアルタイムの位置情報、買い物習慣、健康指標などの極めて個人的な情報を、月々の収入と交換してもよい」と回答。プライバシー、データ、および価値の交換に対する態度の大きな変化を示している。
- 完璧な顧客体験がブランドの差別化要因に:オンラインとオフラインの買い物の割合はほぼ同等に達しており、現在、消費者支出の51%がオンラインで行われている。チャネルを問わず、消費者は価格、商品の在庫状況、およびスムーズな体験を他の何よりも重視している。48%が「デジタル上での基本的なニーズを満たせないブランドでは買い物をしない」と答え、41%が「オンラインショッピングでの不快な体験を理由に購入を取り止めることがよくある」と回答している。
- 影響力は転換点に:買い物の情報源において、家族や友人が依然として消費者から最も信頼される情報源となっている。一方、従来のインフルエンサーの影響力は失われつつある(前年比15%から13%に低下)。AIツールは、厳しい目を向けられつつも、新たな情報源として浮上している。
【調査概要】
調査名:Future Shopper Report 2026(グローバル調査)
実施:VML
調査対象:世界17ヵ国の消費者2万8,000人
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