売上への貢献度を評価するアトリビューションという考え方
河田氏は講演の最後に、最新のトレンドとして、2つのトピックスを取り上げた。
1つはリスティング広告の運用を効率化させるため、APIの利用が広まっていること。入札中のキーワード数が非常に多い、更新頻度が高いといった顧客には、ツールベンダーが開発した入札管理ツールを使うことが1つの手だと勧めている。さらに、大規模なWebサイトを運営している企業の中には、自社でツールを開発してAPIを活用しているところもあるという。
例えばECサイトを運営しているのなら、商品データベースとAPIを連携させて、欠品中の商品に関連するワードの入札を停止させる、といった活用法が考えられる。あるいは新商品の取り扱いを始める時には、自動で商品名・型番・カテゴリ名で入札を開始するといったやり方もできる。
さらには、自社サイト内での検索ログを生かし、サイト内で検索されたワードを、そのまま入札用ワードとして反映させてやるといった使い方も可能だ。
続いて、リスティング広告の枠を超えて、アシストやアトリビューションという概念が注目されてきていると紹介した。
リスティング広告で獲得できるコンバージョンの総数のうち、初来訪時に得られるのは3分の1くらいだという。残りの3分の2は2~3回検索して来訪した結果、ようやくコンバージョンに至ることになる。
その時、初回と2回目以降の検索キーワードが違うことは当然あり得る。自社名ワードからのコンバージョンが多いからといってそこだけに注目するのではなく、初回にリーチしたワードが何だったのか、そもそものきっかけを評価することが重要だと訴えた。
アトリビューションはアシストよりもさらに大きな概念。自社名ワードで初来訪時にコンバージョンが取れたとして、そのきっかけとなるアシストをしたキーワードを正しく評価することが大事であり、さらにはその検索をする意欲を引き起こしたのは新聞広告だったかもしれない。単にオンラインでのプロモーションだけに注目するのではなく、オフラインの活動も含めて貢献度をできるだけ正しく評価していく必要があるというわけだ。
さらに、ビジネス上のゴールはコンバージョンを集めることではなく、売上につなげること。BtoB企業なら、集めた見込み顧客の情報を元に、電話でのフォローアップをして初めて売上になるケースもある。
そうした売上に至るまでのプロセスを数値化して、一貫して貢献度を評価できるようにすること。そうすることでより精緻なマーケティング活動が可能になり、顧客との良好な関係構築にもつながり、最終的な売上が伸びてくるのではないか。河田氏はそう会場に訴えて講演を締めた。
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