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統括編集長インタビュー

「ライブ配信を利用しないのはもったいない」
ニコニコ生放送の番組制作統括が語る企業のライブ配信活用の実態


ニコニコ生放送の企業の利用動向

 ─テレビや音楽アーティストの方々に限らず、企業としても動画をマーケティングに活用していこうという動きが出始めています。ニコニコ生放送の企業の利用状況はいかがでしょうか。

 ニコニコ生放送を企業が利用する目的は大きく2つ、「露出」と「物販」です。

 露出の観点から言うと、イベント中継のニーズが非常に多いです。セミナーであったり、新商品の発表会であったり、株主総会であったり、1年間の中で企業は多くのイベントを行っています。せっかくイベントを行うのであれば、ネットを利用して同時中継をしない手はないでしょう。

 少し前になりますが、日本マクドナルドさんと共同で企画した「マンハッタンバーガー」発売記念イベントの中継は大きな反響を呼びました。1時間半ぐらいの番組で10万以上のコメントがあったのですが、このコメント数は異例です。ニコニコ生放送の機能を利用して日本マクドナルドさんにまつわるクイズを同時で行うなど、ニコニコ生放送ならではの企画も連動させました。(詳細

 「物販」の観点から言うと、ニコニコ生放送を利用するとニコニコ動画内の物販サービスであるニコニコ市場へのリンクやAmazonへのリンクが動画下に表示されます。そういった仕掛けからニコニコ生放送での視聴をきっかけとして、関連グッズやDVDを購入するといった行動を取ることが多いです。

 特に、ニコニコ生放送ではアニメとの相性がよいので、アニメDVDや関連グッズがよく売れたりします。その他、出版社が本を売るためにニコニコ生放送を活用する、といった例も増えていますね。著者を登場させ、誰かとの対談番組をしかけるなどして販促につなげています。こういった感覚はライブ会場でのグッズ販売と似ている気がします。さらに、その時限定で購入できる商品を用意すれば、さらに売れるのではないでしょうか。フラッシュマーケティング系のサービスと連携させるなども面白い試みだと思います。

USTREAMとの大きな違いは一体感の演出

 ─「ライブ配信サービス」という点で見ると、USTREAMと比較されることもあると思いますが、こういった比較についてはどのように感じますか。

 まったく、別者のサービスと思っています。まず集客力が違います。ニコニコ生放送はニコニコ動画内にあるサービスなので、人が集まっているところに番組の告知がかけられます。その集客力の差は大きいのではないでしょうか。

 また、USTREAMはプラットフォームサービスの印象が強いですが、ニコニコ生放送は公式番組については企画・制作から関わっていきます。出演者と番組を一緒に作っていく感覚があり、これはテレビに近い発想と言えます。

 そして、冒頭でも触れましたが最大の違いはコメント機能があることです。コメント機能があることで盛り上がっている感が演出されます。ユーザー内では画面を覆い隠すほどのコメントがつくことを弾幕と呼んでいますが、弾幕がでるとユーザーも出演者も盛り上がります。こういった一体感を演出できる機能があるのか、ないのかは大きな違いではないでしょうか。

 ─先日オープンしたニコファーレとの連動企画などは予定されているのでしょうか。

ニコファーレは、360度壁面がLEDモニターとなっていることから、ネット視聴者のコメントが会場に表示されることで、より一体感を演出できるようになっています。音楽イベントだけでなく企業の制作発表会などもニコファーレで行っていく予定ですので、こうしたネット視聴者が参加できる仕組みを増やすことで、リアルとネットが融合したマーケティング効果を実現できると考えています。

ニコファーレエントランス
ニコファーレエントランス
ニコファーレホール
ニコファーレホール

 ─最後に、ライブ動画配信を行いたいと考えているがなかなか一歩踏み出せない、という方へメッセージをお願いします。

 二の足を踏んでいる企業が多いと思いますが、まずやってみることだと思います。リスクを少なくという点で言えばイベント中継をやってみるのが、まずはよいのではないでしょうか。そして、ユーザーの反応を見ることで、工夫していけばよいのだと思います。敷居は高くないのでまずはお気軽にお問い合わせください。(お問い合わせ先)

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/08/16 14:47 https://markezine.jp/article/detail/14166

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