SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

刺さらなければ広告じゃない! WebマーケッターのためのDirect Marketing講座

ダイレクトマーケティングでクチコミュニケーションできるのか!?


結論:CGMMの本来の姿と結び付けていこう

 すでにお気づきだと思うのですが、筆者はここまで、主にCGMMの基本をコミュニティに置いてきました。しかし、現在のCGMMおよびWOMのベースはコミュニティではなく、あくまでアルファブロガーをはじめとしたインフルエンサーの確保なのです。つまり、アルファブロガーたちは、単なるミニコミュニティのリーダーから、業界によってはその全体に影響を与える存在にまで高まってしまったことになります。

 そのお陰もあって、アルファブロガーの文化人化が日に日に強まってきていますし、マーケターはマーケターで、ブログを完全にひとつのメディアとして捉えており、指標化/体系分類化作業を進めているのが現状です。ブログそのものも、従来のPage Viewなどの基礎数値だけでなく、媒体価値をシビアに計測し、組織化しようとしています。アルファブロガーをイベントに招待したり、会食しながら意見を聞いたり、お金を払って記事を書いてもらうケースも出てきています。じっと話題になるのを待つだけでは、もう時代に追いつけないと言わんばかりです(筆者としては、こういった傾向が進めば進むほど、個人の表現メディアとしてのブログの存在意義が薄れていくような気がしてならないのですが)。

 現状では、CGMと言えばブログが主流になっています。しかし、本来の意味では、画像や映像の投稿サイトや個人のホームページも立派なCGMだったのです。基本的にデータベースを持たない旧来のDRMでは、そういった「人が集まる場」としてのコミュニティにバナーを打ったり、意見を投稿したりして連動させることに意味があったと言えるでしょう。残念ながら、アルファブロガーの囲い込み=CGMM的な発想下では、そういった伝統的なDRMの特性を活かすことは難しいかもしれません…。

 ただし、DRM側に、明確なターゲットのイメージや具体的数値目標がある場合は、対象となるCGMを探すことは不可能ではないでしょう。それは、我われ電通ワンダーマンが提唱するデータベースを活かしたDRMでも同じです。DRMは、安直なトレンドに乗っかることではなく、個人の購買を促進するダイレクトな手法として存在してきました。時代の趨勢としてCGMMやWOMと結び付いていかねばならないのであれば、媒体(メディア)としてのCGMと手法としてのDRMのアイデンティティをしっかりと捉え、それぞれの持つ利点を活かして行くことが、何より大切なのではないかと思うのです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
刺さらなければ広告じゃない! WebマーケッターのためのDirect Marketing講座連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

杉山 実(スギヤマ ミノル)

株式会社 電通ワンダーマン インタラクティブマーケティング部 シニアプロデューサー。Reader‘s Digestを皮切りに外資系代理店、大手出版社で広告制作とダイレクトマーケティング、企画・編集を担当。コンテンツビジネスのJVなどを多数手掛け、マーケティングとデジタル・ソリューションの間を行き来する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/09/12 16:28 https://markezine.jp/article/detail/1445

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング