見るべきポイントは、たった2つ
見るべきポイントは、主に2つあります。
まずは、「ファーストクリックによるコンバージョン数」と「終点コンバージョン」のボリュームです。どの流入元が起点と終点に貢献しているのかを、確認しましょう。先程の画像の「参照元サイト」と「ノーリファラー」の数値をみてみます。
起点の場合は、参照元サイト>ノーリファラーとなっていますが、終点の場合は、参照元サイト<ノーリファラーとなっているのが分かります。
つまり、サイトに訪れる人は最初は参照元サイトから来るが、コンバージョンする時はノーリファラーになる可能性が高いということを表しています。
成果にたどり着くのに、複数回かかるサイトの場合にこのような傾向が見えます。今までのGoogle アナリティクスの分析ですと、「ノーリファラーはコンバージョン率が良いからノーリファラーを増やそう! でもどうやって?」ということが起きていました。
しかし、このデータを見ると「オーガニック」や「参照元サイト」の数を増やすことが、結果的に「ノーリファラー」の増加に繋がると言えるのではないでしょうか。
もう1つのポイントは、「起点/終点」です。
このデータを確認することで、流入元が「初回に人を連れてくるのに向いているのか」、「成果に直接貢献させるのに向いているのか」が分かります。1以上であれば「起点より」、1未満であれば「終点より」です。改めて各流入元の数値を確認してみましょう
流入元 | 起点/終点 |
---|---|
オーガニック検索 | 1.05 |
参照元サイト | 1.18 |
ノーリファラー | 0.67 |
(その他) | 1.22 |
有料広告 | 1.12 |
ソーシャルネットワーク | 0.83 |
上記のような数値となっています。「参照元サイト」が起点になりやすく、「ノーリファラー」が終点になりやすいことが改めて分かります。「その他・有料広告・ソーシャルネットワーク」の数値も気になりますが、母数が少ないため分析をしてもほとんど意味がないでしょう。
「起点の分析」をみてきましたが、「アシスト分析」もほぼ同じ構成となっています。各項目を簡単に確認しておきましょう。
見ての通り、「視点」が「アシスト」に置き換わっている以外は、定義や計算式は変わりません。
では、「アシスト」と「起点」、どちらをどのように利用すれば良いのでしょうか? オススメはこれらのデータを1つの図であらわす「バブルチャート」を作成することです。
それぞれの円が流入元を表わします。X軸は「アシスト/終点」の値、Y軸は「起点/終点」の値、円の大きさは「直接成果数」の値を利用しています。
そしてX軸とY軸が1の所で線を引いて、グラフの4つの象限に分けていきます。
まず、大きさからその流入元の量が分かります。そして、その円がどの象限に属しているかを見ることで、流入元の特徴を分類できます。左上から時計回りに4つの象限をみていましょう。
- 左上の象限:「起点/終点が高く、アシスト/終点が低い」…つまり初回の流入になりやすいが、アシストにはなりにくい点を表わしています。主にユーザーの「最初」と「最後」の流入元を担うケースが多いです。上記の図では「オーガニック」「有料広告」「参照元」などが該当します。
- 右上の象限:「起点/終点が高く、アシスト/終点も高い」…直接の成果はつながりにくいケースが多いのですが、初回にも利用されるし、それ以降にも利用されやすい、コンバージョンまでの誘導力が高い流入元になります。母数が低いので参考値程度ですが「その他」がここに該当します。
- 右下の象限:「起点/終点が低く、アシスト/終点が高い」…初回でもなく最後でもない、まさに「真ん中」の部分を担う流入元です。成果にたどりくまでの訪問回数が多いサイトに出やすい傾向があります。また施策としては「メールマガジン」などが該当しやすいでしょうか。今回の分類では特に該当する流入元はありませんでした。
- 左下の象限:「起点/終点が低く、アシスト/終点が低い」…ここは間接的な効果が低い、言い換えれば、直接成果につながる割合が高い流入元を表わします。「最後」の部分を担う流入元です。今回の分類では、「ノーリファラー」と「ソーシャルネットワーク」が該当しました。
今回は「マルチチャネル」の意味、そして5つあるレポートのうち最初の2つを確認してきました。次回は、流入の分類を更に細かく確認して分析する方法、そして残りの3つのレポートを紹介していきます!