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あの企業のソーシャルメディア担当者に聞きました!

東急ハンズのソーシャルメディア担当者に聞く、12万人のファンを誇る人気アカウントの舞台裏

やりたい人がやるからおもしろい、ヒント・マーケットというネタの宝庫

Q. ソーシャルメディア担当のメンバー構成について教えてください

國分: 私はソーシャルメディア全体の監修をしながら、緒方と新宿店の男性スタッフと一緒にFacebookページ担当をしています。各店舗のアカウントについては、店舗ごとに運用体制は異なります。ただ、運用体制を共有してもらい、それを私の方でとりまとめ、他店の運用状況を参考にできる仕組みを作っています。

緒方: 私はFacebookページに加え、mixiページと@HandsNetのTwitterアカウントを担当しています。幸い、東急ハンズではたくさんの個性的な商品を取り扱っていますし、店舗ごとに常にイベントを行っているので、ネタ探しにはまったく困りません。これは担当としてはありがたいことですね。

Q. ソーシャルメディア活用が始まった経緯や活用目的は?

國分: 現在、@TokyuHandsを担当している男性社員が、当時の上司との雑談の中で、「ハンズの看板を背負ってTwitterをやってみたら?」と言われたのが始まりです。次の日には広報に相談があり、「これは面白そうだな」と思ったので、すぐに担当役員に話をしたところ、その日のうちにOKが出ました。東急ハンズの店内を見てもらうと分かりやすいのですが、弊社には「新しい感性を取り入れながら、他とは違うことをやろう」という考えが、DNAとしてあるんです。リスク管理をしたうえで、新しいことにチャレンジするのは、大歓迎ですね。

緒方: 年間何千万人というお客様がいらっしゃるうち、ソーシャルメディアを活用している方はごく一部。そのごく一部で、売上に大きな影響を与えようとするのは、難しいと思っています。「東急ハンズは面白そうだな、楽しそうだな」と思ってもらうことが共通目的であり、そこに大きな意義とやりがいを見出しています。

ファン同士で盛り上がるFacebookと企業とのコミュニケーションを楽しむTwitter

Q. コミュニケーションについてルールや気をつけている点はありますか?

國分: 今年の6月末に、ソーシャルメディアポリシーを公表しましたが、大切なのは「店頭での接客と同じ感覚を持つ」という事です。マニュアルはもちろん、ロールプレイングなど、店頭では接客のトレーニングを日々行っています。ソーシャルメディア上でのコミュニケーションは、店頭での接客と同じ。先ほど緒方からもあったとおり、管理部門で働く社員も含めた全員が、店舗での接客経験を持っているので、会社としてお客様に接する根本的な姿勢については、十分に伝わっていると思っています。

緒方: Twitterの運用面について詳しくお話しすると、お客様からいただいた質問に返事をする際に、「@○○(お客様のアカウント宛)のみで返す」か、あるいは「RTでお客様の質問を引用しながら返す」か、を意識的に使い分けています。お店の営業時間や新商品の入荷状況など、“知りたい人が多そうな質問”は、弊社のフォロワーの方にもお伝えしてプラスになることなので、RTで返します。

FacebookページはCtoC。東急ハンズファンのお客様同士で盛り上がる場だと考えているので、すべてのコメントに返信していません。逆にTwitterはBtoC。弊社とお客様とが1対1でコミュニケーションを楽しむ場にしたいので、できる限りすべての質問に対してお答えするようにしています。

Q. 基本的に受け身の立場である店舗スタッフから情報を発信する側になって、戸惑いはありませんでしたか?

緒方: ありがたいことに、東急ハンズのアカウントは、開設したらすぐにお客様から話しかけてもらえます。Twitterでのコミュニケーションの内訳は、「リプライ7割、発信2割、雑談1割」。お客様からいただいた質問からコミュニケーションが始まるので、肌感覚としてリアルもネットも変わらないと思っています。

東急ハンズには膨大な数の商品があるので、お客様にとっては分からないことの方が多いんですよね。電話でのお問い合わせも「これはありますか?」というものが最多。Twitterはそういう気軽な質問をしやすい環境なこともあり、CSツールとして活用している部分は大きいです。リプライの割合からしても、「東急ハンズに聞いたら分かりそう」と思ってもらえているのではないでしょうか。

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ソーシャルメディアで競合との垣根をも越えた

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/12/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/14840

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