外部のWeb事業者との取り組みにも積極的
社内で扱う各チャネルとの連携と同様に、同社は外部のWeb関係の事業者との協業にも前向きだ。地上波のコンテンツの二次利用にはさまざまな権利問題やスポンサー問題などが付帯するが、その点で見参楽のオリジナルコンテンツは制作段階からさまざまな権利処理をしているので、外部へのコンテンツ提供も柔軟に対応できる。
すでにYahoo動画では「お台場寄席」を提供した実績もあり、見参楽とは異なる内容を配信しながら、本サイトへの誘導を図っている。他社との協業については、そのサイトの露出やコンテンツとの相性にもよるため、事業者ごとに互いにメリットがある仕組みを構築する必要がある。
一方で、いわゆる動画共有サイトとの協業に関しては、違法動画を含めてその利用がユーザーのモラルに依存することから、コンテンツを扱う会社としては連携に慎重な姿勢を見せている。加えて、共有サイトはごく短い分数でハプニングが起こるようなタイプの動画が人気を集めている傾向があることから、コンテンツとの相性も考慮すべき、と奥津氏。
視聴者の参加をどう促すか、さらなる取り組みが課題
テレビとWebのコンテンツの相違点について、奥津氏は次のように話す。

「Webコンテンツは、リビングで何気なく観るテレビと違って、能動的に見るものです。だからこそ、万人受けを狙うのではなく、ターゲットを絞り込んだ番組展開に可能性があります。この点は、テレビとは異なる考え方やプロモーションの仕方が必要でしょう。逆に、番組や広告の考査はWebコンテンツもテレビと同様に遵守すべきと考えています。どのチャネルを使おうと、フジテレビとしての信頼を失わないことを前提に、視聴者との接点を拡大していきたいですね」
来年度は、引き続きコンテンツを拡充し、コンテンツ量、アクセス数ともに2倍から3倍を目指したいという。加えて、視聴者の参加を一層促進していく。地上波コンテンツでもWebサイトに掲示板を設けるなどの取り組みはあるが、見参楽ではたとえば視聴者から投稿してもらったものを番組で紹介するなど、より内容に絡めた企画を展開中だ。「反響はそのときどきによって異なるので、しばらくは試行錯誤を重ねて“参加”の具現化に力を入れる予定です」