ソーシャルメディアへの投稿を一元管理し、最適化する「Adobe Social 」
今回のサミットでもソーシャルメディアは主要なテーマのひとつ。しかし、セッションリストには「ファンの数はビジネスの指標にはならない」「ソーシャルメディアによって、パーソナライゼーションを推進する」「ファンを購買者へと変える」といったタイトルが並び、消費者とのエンゲージメント醸成から一歩進んで、より具体的な成果を追い求める段階へ入ったようだ。
チャド・ワレン氏
アドビは2011年10月に、ソーシャルメディアに特化した解析ツール「Adobe SocialAnalytics」をリリースしたばかりだが、サミットに合わせて「Adobe Social」を発表した。この製品について、アドビ システムズでソーシャルメディアソリューションをとりまとめているチャド・ワレン氏に話をうかがった。
「一口にソーシャルメディアマーケティングといっても、組織の中で関連する業務は多岐にわたります。オンラインでの会話を聴き、そこで起きることに対応する、ブランドのモニタリング、Facebook、Twitterといった異なるソーシャルネットワークでコミュニティを運営してコンテンツを投稿したり、アプリを作成する…などです。
Adobe Socialの最大の特徴は、現在市場において、企業内の組織を横断するかたちでソーシャルマーケティングのあらゆるニーズに対応できる唯一の製品であること。また、(ソーシャル)広告のバイイングワークフローに対応したことも大きな特徴となっています。」
ソーシャルマーケティングのあらゆるフローに対応
Adobe SocialはAdobe Digital Marketing Suiteに含まれる新製品として、北米では2012年下半期に提供が開始される。日本での提供は未定だが、ここでいくつか画面を見ていこう。
下の画面は、アウトドア製品を取り扱う架空のオンラインショップのサマリページ。キャンペーンによる収益の変化、競合するページが獲得した「いいね!」の数のほか、会話の中に頻出しているキーワードのクラウドも表示されており、これらのキーワードから新たな投稿のアイデアを得ることもできる。
Adobe Socialでは、投稿記事、ソーシャル広告、クーポンなどのアプリも専用の画面で作成可能。また、それらのコンテンツを複数のソーシャルメディアに展開することも手軽にできる。
Adobe Socialは、Digital Marketing Suiteとシームレスに連携することで、こうしたコンテンツにユーザーがどのように反応したかをトラッキングすることができる。そこから得たデータをもとに、どんなコンテンツに注力すればいいのかを判断したり、ソーシャル広告のキャンペーン最適化も可能になる。また、Facebook、Twitter、Pinterest、Google+、ブログなど複数の人気のあるソーシャルメディアに対応しているのも強みだ。
しかし、チャド・ワレン氏は「新しいソーシャルネットワークは毎週のように登場しています。昨日、顧客とのミーティングがあったのですが、みんながPinterestの話をしたがる。でも、Pinterestを使って何かやる準備ができているのか、戦略を立ててそれを実行しようと思っているかをたずねると、みな「ノー」というんです(笑)。新しいサービスをサポートするかの判断は難しい」と語る。
Adobe Socialは今後、さらなる機能拡張とDigital Marketing Suiteとの統合が進められる。Facebookが日米ではじめてマーケター向けイベント「fMC」を開催し、Google Analyticsにはソーシャル分析機能を追加された今年、ソーシャルマーケティングを支援する動きはさらに広がりそうだ。
