ほかのDSPとの違いを生み出すBypassの3つの特徴
DSPは注目を集め始めているだけに、自然と新規参入するプレイヤーも増えてきている。そんな中でBypassはどのような点で差別化を図ろうとしているのだろうか。岡部氏によると、BypassがほかのDSPよりも勝っている特徴は次の3つ。
- グローバルなインベントリー(広告枠在庫)の保有
- 広告効果自動最適化
- 多彩なターゲティング、豊富なレポート
それぞれの特徴について詳しく触れていこう。
グローバルインベントリーの保有
ngiがスマホのメディア向けに提供し、最近登録メディア数が1,000を超えたSSP(Supply Side Platform)「AdStir」とBypassはRTB接続済み。
DACグループの株式会社プラットフォーム・ワンが提供するSSP「YIELD ONE」との接続も進んでいて、国内最大級の広告在庫を保有することになる見通しだ。
また最近は、日本のスマホアプリ開発企業による海外展開が目覚ましいこともあって、海外のSSPやアドエクスチェンジとの提携も発表間近に迫っている。
「全世界の広告枠在庫をBypass経由で購入できるようにしたいです。国内だけではなくて海外の広告主にも目を向け、海外の広告主が日本の広告を買う時にも使えて、海外to海外も可能な全世界で通用するDSPを作りたい」(岡部氏)と意欲的だ。
広告効果自動最適化
DSPの中には広告配信結果を分析し、広告効果が最大になるよう、自動的に最適化してくれるものもある。Bypassにも広告効果の自動最適化機能はあるが、
「他社は何万~何十万impも配信した後、媒体別に効果を見て、効果の悪い媒体を停止する仕組みのようです。対してBypassは、1 impごとに多変量解析で効果を分析し、最適化します」と機能の違いについて岡部氏は解説してくれた。
つまりBypassは、広告配信された先の媒体情報だけでなく、配信地域・曜日・時間、デバイスのOS・キャリア、広告枠といった複数の条件を踏まえて1 impごとに効果を分析している。
「わずか10件程度しかコンバージョン(CV)が取れなかった媒体でも、コンバージョン率(CVR)が高くなる配信条件があるかもしれません。でも、全体で効果を見たら『効果が悪い』と判断して切り捨てることになってしまいます。Bypassなら1 impごとに判断するので、効果が悪い媒体の中にも高い効果が見込める条件があれば配信します。そこが大きな違いです」
多彩なターゲティング、豊富なレポート
Bypassでは先に挙げたような配信条件をシステムで把握しているため、広告配信先のターゲティングも細やかに指定できる。「自社調べですが、RTB機能を備えたスマホ向けDSPの中ではターゲティングの種類が一番豊富」と岡部氏は言う。
さらに特筆すべきは、CPC(Cost per Click。クリック単価)課金にも対応していること。多くのDSPがCPM(Cost per mille。1000 imp当たりの配信単価)課金のみに対応しているが、「ngiがリスクを負い、クリック率を担保してCPCでご利用いただけるようにしています」(岡部氏)。
レポートも充実している。imp、クリック、CV、CV、CPAといった項目を、クリエイティブ別、地域別、曜日・時間帯別、OS別に計測可能。さらに集計結果を円グラフや棒グラフとして出力し、パッと見て分かりやすくなるように意識して作り込まれている。