Facebookは革命というより、多くの人にとってただ人間関係である
ここで改めて全体を見なおしてみると、ターニングポイントとなったいくつかの行動がわかる。
- 2011年(21歳)、別れという「交際ステータスの変更」アクティビティに対して、感謝のメッセージを送れなかった
- 2012年(22歳)、アメリカで結婚したという「重要な出来事」に「いいね!」して取り消す
- 2026年(36歳)、転居のアクティビティを見つけて、再開のメッセージを送る
このいずれもがプロフィール項目の変更であり、タイムラインにアクティビティとして記載されている。
いいね!や口コミといった側面が大きく取り上げられがちだが、実はソーシャルメディアにおいて重要なのは、こういったプロフィール情報や各種ステータスの変更であり、アクティビティなのかもしれない。つまり転居、あるいは冠婚葬祭。日常生活においてはお世話になった方々にハガキを送るような人間関係上のイベントの数々だ。
よく言われるような「○○の革命」といった大きな物語の前に、ソーシャルメディアは多くの人にとってただ人間関係であり、そういったガチにリアルな人生イベントをネット上にプロットしていって、あなたの人生の物語を完成させましょう。これがFacebookのタイムラインのコンセプトであり、それをこれほど端的に表現したビデオもなかなかないのではないか。
ソーシャルメディアのFAQは、人生の問いへと近づいている
リリース元であるビクターエンタテインメントの提供によるNAVERまとめによると、元カレ・元カノのFacebookが気になるひとはかなりいるようだ。
mixiあたりのFacebook初心者向けコミュの質問スレでも、「友達かも?」に元カレが出てきたので消したい! という質問を時おり見かける。そこで「左上の×を押すと消えます」などと機能や使い方を答えるのだが、それで問題の根本的な解決につながっているのだろうか? と思うことがある。
ソーシャルメディアのFAQは、人生の問いへと近づいている。そんな気がする。
本当に元カレと元カノのストーリーだったのか?
ところでこのPVだが、いくつかわからないところがある。冒頭の検索結果に「共通の友達 4人」と表示されている。これは友達の友達に対して出るものなので、検索時点で白神さんと山本くんは友達ではなかったと推測される。
このとき白神さんの住所・アイコンとも最初期のものだが、2人は付き合いはじめたあとでFacebookを始めているので、恋人同士がタグ付けしておきながら友達になっておらず、しかも検索で探している。ちょっと状況がわからない。
また、ラスト近くで、メッセージを送信するときに表示されるボタンの右端に「達」の文字が見えることから、山本くんが白神さんが帰ってきたことを知ったとき、2人のステータスは「友達」だったことがわかる。
このビデオはFacebookを始めた男が元カノを探したストーリーとされているが、実際はずっといっしょにFacebookをやっていて、ずっと友達関係にあったと見ることもできる。ひょっとしたら白神さんも山本くんのタイムラインを15年間ずっと見ていたのかもしれない。
ソーシャルメディアは人間関係と同じくらい複雑で、難しい。
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