ユーザー属性のユニークな3つの特徴
スクーのユーザー層で最も多いのは28~32歳の社会人男性だ。そして特徴的なのは、ほぼ半数が既婚者ということ。
「その年頃の方々は、初めての昇進を迎えたり、また転職するならそろそろというタイミングに差し掛かっている。そんな人たちの心理としては、新しいことを学びたい、他の人はどんなことを思っているのか知りたいという知識欲が高まっているのだと思う。
また既婚者の方の利用が多い理由はとてもシンプル。休日は家族サービスをするから学校に通えないという人でも、スクーなら時間と場所を選ばずに手軽に学べるからだ」

また他にも二つのユーザーの山がある。それは地方の大学生、そして意外なことに30~40代の主婦層である。
「地方の国公立大学に通う学生のヘビーユーザーは多い。それはきっと、地方で新しいものを求めている、東京に出たいと思っている、何かやってやりたいと思っている学生に刺さっているのだと思う。
今まで、カヤックの柳澤大輔さんや家入一真さん、小川卓さんなど多くの方々に先生として登場していただき、とても人気の高い授業だった。しかし、彼らが実際に地方を回ってセミナーをするなれば、実現はむつかしい。講演やセミナーを聞きたくても、その機会がない地方の人たちでも、スクーなら先生に直接質問を投げかけることができて、しかも答えてもらえる。
また、30~40代の主婦層がユーザーとして多いことに、スクーの可能性を一番に感じている。授業のコンテンツの中心はビジネスやITのことだが、その世代の女性たちにもそれらの情報を知りたいというニーズがあるということだ」(森氏)
Webサービスにおいて、ユーザーのコンテンツ課金文化は根付くか?
スクーは2012年10月11日から、有料会員制度を始めた。無料会員は授業の生放送への参加や、月1コマほど録画授業を受けることができる。それに対して、月額525円で有料会員になると、制限なく録画授業を自由に閲覧でき、現地参加型授業の優先特典などを受けることができる。
Webサービスでユーザーからの課金ビジネスモデルを成立させていく秘訣をたずねたところ、「個人的にはWeb上のコンテンツにユーザーがお金を払う文化は根付かないと思っている」と興味深い応えが返ってきた。

「実は録画授業をコンテンツとして提供するかの判断は、かなり迷った。それはスクーが提供したいのは、コンテンツではなく、コンテンツに付随して生まれるコミュニケーションだから。つまり、目指すところはコンテンツを売るのではなく、コンテンツの先にあるコミュニケーションの場を提供することだ」(森氏)