CRMのテクノロジーは着実に「顧客」へと近づきつつある
データマイニングを強みとするALBERTは「ビッグデータ時代のCRMソリューション」として「smarticA!」をリリースした。One to Oneマーケティングの実現に向けて、同社はCRMをどのように進化させようとしているのか。ALBERT代表取締役の上村崇氏に話を伺った。
――良品計画をはじめとする先進的な企業のマーケティングを支援するなかで、国内のCRM活用は現在どのようなフェーズにあるとお考えでしょうか。
上村:今までのマーケティングは新しくお客さまを獲得するところに注目が集まっていましたが、これからはお客さまとコミュニケーションしながら、ひとりひとりのLTV(Life Time Value)を上げていく、一人のお客さまからの収益を最大化していくためのマーケティングが注目されると考えています。
こちらの図は、ALBERTが取り組んでいるCRMのビジネスマップです。左側に購買データやウェブのログデータを蓄積するデータウェアハウス(DWH)があります。ここにビッグデータが溜まったら、データを解析してCRMの打ち手に活用していく段階になります。そこで必要なのが、データマイニングエンジン(統計解析)と、キャンペーンマネジメント(コンタクトポイント最適化)で、このふたつは切っても切れない関係にあります。
図の一番右側に「顧客」とありますが、現在そこへ向かってCRMのテクノロジーが近づいています。溜まったデータをデータマイニングエンジンで解析し、それをキャンペーンマネジメントシステムで、どのコンタクトポイントを通じて誰にどんな情報を届けるかを制御するようになってきています。無印良品が取り組んでいるOne to Oneマーケティングを実現するために、ALBERTはこの分野のシステムの独自開発に注力しています。
顧客特性に合わせ、メール等を通じて顧客にアプローチをするのが「キャンペーンマネジメント」という機能だ。「週末に買い物をする人には金曜にメールを配信」「新規会員には初期購入キャンペーンを案内」など、ユーザーの状態に合わせ、適切なタイミングで適切な対応をする。顧客へのアプローチ手法は、メールのみならずWebやプリントメディアでも応用が利くため、「マルチチャネル時代のOne to One ソリューション」と上村氏は称する。
国産CRMで、今年こそビッグデータ活用元年に
今年を「ビッグデータ活用元年」と位置付ける上村氏。その新しい幕開けに合わせ、同社がリリースしたのが独自開発のCRMソリューション「smarticA!」だ。国産CRMとしての優位性について次のように語る。
上村:ご存知のように他社も、「smarticA!」のようなソリューションをリリースしています。なかでも大きな勢力になっているのが海外製品です。しかし海外の商習慣に合わせて作られているため、日本のユーザーに合わせた対応をするにはカスタマイズが必要です。また導入時には、インハウス型のソリューションは数千万単位の費用が、オールインワン型のサービスは周辺システムのリプレイスが必要になり、どうしても敷居が高くなります。
「smarticA! キャンペーンマネジメント」と「smarticA! データマイニングエンジン」はALBERTが日本の商習慣に合わせて独自開発したもの。加えて、クラウド型サービスなのでコストも抑えられる。機能やサービスも必要に応じて選択することができるので、導入を検討している企業の担当者の方はまずは必要なところから試していただきたいと思っています。
「ビッグデータ」は流行語に過ぎないと言われることもある。しかし、活用するための道具が揃ったいま、溜まりに溜まった「データの塊」は「宝の山」に変わるかもしれない。上村氏の言うとおり、今年こそ「元年」となる兆しはすでに見えつつあるようだ。
分析力をコアとする情報最適化企業ALBERT(アルベルト)は、ITの活用による情報の最適化で、意思決定と問題解決を支援します。One to One マーケティングを支援するCRMソリューション「smarticA!」を含む多様なソリューションについて、さらに知りたい方はこちらへどうぞ。
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