O2O市場が成熟する時
ヤフーとカード会社との提携を分析していくと、ヤフーが何を狙っているのかが見えてくる。ヤフーは、まずネット決済でウォレットを使うことに慣れてもらい、それから実店舗でも買い物に使ってもらうという流れを想定している。
そのうえで、ウォレットの利用を促すために、ウォレットにポイントやクーポン、電子マネーやクレジットカードを紐づけて、JCBやセゾン、UCカードの店でも買い物してポイントが貯まるようにしている。
O2O時代は始まったばかりであり、これからが本番である。現時点ではまだ、実店舗でスマホを使って「Yahoo! ウォレット」で決済することはできないが、近い将来、スマホをかざすだけでいろいろな店でクレジットカード決済ができるようになる。その時こそが、O2O市場成熟の時といえる。
スマホでの決済サービスを押さえた者が、O2O時代の盟主になる
このようにネットで急成長を遂げたWeb事業者は、いまやリアル市場の陣取り合戦の主役を演じる勢いである。ヤフーをはじめとするWeb事業者たちは、ネットとリアルの決済サービスを押さえながらリアル市場に進出してくる。この背景として、スマホの普及があり、Web事業者のリアル市場への進出はスマホ革命のひとつの側面と言えるだろう。
スマホ革命により、決済業界ではWeb事業者を含めた盟主争いが勃発している。
近い将来、決済のツールとしてこれまで重宝されてきたプラスチックカードに、スマホが取って代わることが予想される。電子マネーはもちろん、ポイントやクーポン、それにクレジットカードまでもスマホだけで事足りる未来はすぐそこまで近づいている。
したがって、今後はリアルなお金の流れよりもむしろ、スマホを中心とした決済(オンラインでのお金の流れ)、ポイントの動向が注目を集めるようになるだろう。そして、リアルもネットもあらゆる決済がスマホひとつでできるようになれば、「スマホ決済」を押さえた事業者が、本当の意味でのO2O市場の盟主となるだろう。
