ドロップシッピングはアフィリエイトに並ぶ
――こんにちは。まず現在ドロップシッピングが新しいeコマースとして注目されていますが、どのように感じていますか?
(実藤社長) ドロップシッピングはまだまだ世間に知られておらず、これから伸びるサービスです。今、ようやくアフィリエイトの背中が見えるくらいの規模までにはなってきました。あと数年でEC市場の一端を担うビジネスモデルになることを感じています。
――将来、ドロップシッピングはアフィリエイトを逆転しますか?
アメリカの事例からも、アフィリエイトを逆転するというよりは、共存していくと思います。もしもでは、あと5年以内に、アフィリエイトと同規模まで規模を拡大したいと思っています。もしもドロップシッピングは、ユーザーの方にリスクがなく、アフィリエイトと同じくらい、気軽に使っていただけるため、アフィリエイターの方にも多く使っていただいています。
DSP最大手の経営者、実藤氏の原点
――もしもはDSP(ドロップシッピングプロバイダー)の最大手で注目されていますね。社長の実藤さんの経営者としての原点は大学時代にインターンとしてオイシックスの立ち上げにかかわったことだと聞きました。
小さい頃から起業したいと思っていたのですが、大学時代は起業するまで経験を積むために色々なバイトをやりました。コンビニや家庭教師、塾の講師から引越しや新聞配達、エアコンの掃除、テトラポット作り、道路工事、家の解体など幅広くやりました。そして大学3年生の時、オイシックスという会社が創業し、ちょうどインターンを募集していたので応募し採用されたのです。
――オイシックスといえば、食品全般を販売するインターネット通販サイトとして有名です。
はい。しかし当時は、まだオイシックスがベンチャーとして事業を立ち上げたばかりでした。私自身、アマゾンや楽天を利用したことがありませんでしたし、「本当にインターネットで物が売れるのか」というような議論が世の中で行われていた時期でした。ただ、そうした意見をよく聞いていくと、「これからインターネットは伸びる」という方が大勢になってきていて、私も「このような過渡期だからこそこそやってみたい」という思いがありました。
インターンでオイシックスに入り、最初に行ったことは、生産者である農家の方を訪問し、仲良くなることでした。はじめは農家の方にはいくらインターネットのこと説明しても、理解していただけないし、怪しまれてなかなか売ってくれませんでした。
社内は学生が多く、社員数人に学生40人といった感じでした。学生は全員インターンです。当時のオイシックスの社長や幹部の人たちには、マッキンゼー日本支社出身の人たちが何人かいて、合理的にあらゆることを理詰めで考えていました。一方、学生は元気があって、「何かやってやるぞ」と意気込んだ勢いがあるメンバーが集まっていました。 今では自分で会社を立ち上げている者もたくさんいます。
――農業の世界にインターネットを持ち込む試みは当時では新鮮でした。
それだけに周囲の理解を得るのが大変でした。しかし社員と学生が日々奮闘を繰り返しているうちに、大きな出来事がありました。ある時、テレビのニュースでオイシックスが取り上げられたのです。するとサイトの訪問者数が100倍に激増したのです。これをきっかけに一気に売れ出しました。これがオイシックスの最初の飛躍だったのですが、その後、オイシックスは年商40億円規模の企業に成長しています。私も1年半ぐらい働き、途中からはページ製作を任せられるようになりました。始めた頃はフロッピーディスクも使えないぐらいの、何も知らない状態だったのですが、そこでパソコンのスキルをつけることができました。この時の学んだことはその後、貴重な経験になりました。また今の会社でも一緒に働いている者もいます。
ネットショップを、1年半で月商2,000万円に
――オイシックスで得た経験はその後のビジネスで生かされましたか?
はい、その後のWebビジネスでとても生かされました。