アカウントの戦略を立てよう
さて、機能がわかったらすぐに運用を始めたいところですが、LINE@の活用をスタートする前に大切なポイントは、目的を明確にしておくことです。「LINEが人気らしいからうちのお店でも始めよう」「競合のお店が上手くいっているからうちのお店も始めよう」「店長から始めろと言われたから」という理由だけで、目的が曖昧なまま始めてしまった場合、成果に結びつかない運用に陥りがちです。LINE@を有効に活用するために必要となる基本的な戦略の立て方を、以下の4つのステップで解説していきます。

1、お店・商品の特徴の把握
2、配信したいターゲットのイメージ
3、運用目的の整理
4、配信内容の策定
1、お店・商品の特徴の把握
まず初めに、自分のお店の特徴をしっかりと理解しておくことです。LINE@でメッセージを配信する上では、お客さまの「来店頻度」、そして取り扱う「商品・サービスの特性」が重要になってきます。
生活用品や飲食物など来店頻度が高いお店では、週1回の情報配信でもメリットを感じてもらいやすいでしょう。しかし一方で、数か月に1回来店するような来店頻度が低いお店だと、配信頻度が高すぎるとブロックにつながりやすくなります。
また、お店で取り扱っている商品・サービスが、お店オリジナルのもので独自性がある場合は、こだわりポイントなどの情報も喜ばれやすでしょう。その一方で、大量生産で多くの人に受け入れられるように作られた商品であれば、割引などのお得感のある情報が興味を引きやすいメッセージとなります。
運用を始める前に、お店のお客さまの来店頻度はどうか、こだわりのあるオリジナル商品を扱っているのかなどを、しっかりと振り返っておきましょう。己を知ることが、戦略を立てる第一歩となります。
2、配信したいターゲットのイメージ
自分のお店のことが理解できたら、次はお店にはどのようなお客さまが来店しているのか、またLINE@でどのようなお客さまとつながりたいのかをイメージしていきます。ターゲットをイメージする切り口は、主に3つあります。性別や年代、属性などでイメージする方法。お店の立地やお客さまのライフスタイルなどから利用シーンを想定する方法。利用頻度や購入額などの売り上げベースで、ヘビー・ミドル・ライトユーザーと分類していく方法です。ターゲットを意識して企画することで、より伝わりやすいメッセージを作ることができます。
3、運用目的の整理
次に、戦略の柱となる「目的」を考えます。過度な期待をしてしまいがちですが、LINE@は何でも叶えてくれる魔法のようなものではありません。あくまでもコミュニケーションツールの1つです。
LINE@の主な機能から期待できる効果や役割を把握して、お店が抱えている課題と照らし合わせながら目的を設定していきます。例えば、「定期的にイベントを開催しているが、お客さまに知られていない」という課題があれば、メッセージ配信による告知で集客を図ることが目的になります。
お店の課題を考え、LINE@を運用して実現したいことは何でしょうか。目的を持つことは、メッセージを企画するときや、運用の改善策を考えるときにも活きてきます。そして、運用の中で迷いが出たときは、この目的に立ち返ることで、進むべき道が選択しやすくなるでしょう。
4、配信内容の策定
これらの3つのステップが整理できたら、その目的に則った最適な配信内容を考えていきます。ターゲットであるお客さまが興味を引きやすいメッセージ、集客につながりやすいクーポンなどを企画していきましょう。具体的な配信内容のアイディアについては、第3回目の記事で詳しく解説していきます。LINE@を活用して最大限の効果を得るためには、この4つのステップで事前にしっかりと戦略を立ててから運用を行うことが大切です。
第1回は、LINEの人気の秘密、LINE@の概要や強み、お店の基本的な戦略の立て方までを解説しました。次回は、開設したアカウントの友だち獲得の方法を具体的な事例とともにご紹介します。

[目次]
1、LINE@を理解して戦略を立てる法則
2、運用する前の準備・設定の法則
3、店舗やWebで友だちを獲得する法則
4、確実に読まれるメッセージを作る法則
5、お客さまとの継続した関係をつくる法則
6、売り上げを伸ばすクーポン配信の法則
7、データを分析して運用を改善する法則
8、お店の力を結集して運用効果を上げる法則
本連載はLINE@初となる公式ガイド本『LINE@ 公式ガイド 繁盛店につながる集客・運営 小さなお店の店長・スタッフが実践すべき新・100の法則。』より抜粋・加筆してお届けしています。Amazonでの購入はこちら!