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石谷聡史と考える統合マーケティング・コミュニケーションの未来

「クライアントにとって優秀な相棒でありたい」 ─ dof 齋藤太郎氏

点ではなく、線で考える

 ――お話をうかがっていると、ターゲットの広げ方や時系列の展開において、なにか戦略のストーリーがありますよね。あと、KPIとかマーケティング・コミュニケーションのゴールの設定は、どのようにされているんですか。

 点ではなく、線で見ているのかもしれません。ウイスキーならサントリーが圧倒的なシェアを持っているという事情もありますが、瞬間風速的な売上だけで施策の実施を判断するのでなく、角瓶が築き上げてきた世界観が、薄れないかどうかということを常に考えています。売上至上主義になると、長期的にブランドを育成できなくなってしまいます。

 KPIに関しては、オリエン段階でクライアントが考えていらっしゃることが多いですよね。それをもとに、ものすごく議論します。正しいか正しくないか、無理がある命題かどうかなど。弊社にクライアントにお越しいただき、長時間お話することも多いです。

 ――仕事の進め方でいうと、オリエンを受けて、こちらで引き取って考えてプレゼンする、という流れとは違いますね。アイデアが生まれるところから一緒にやっているから、採用するかの段にはその施策の意味も期待もクライアントの方が分かっている、ということでしょうか。

 僕らからプレゼンテーションした企画は、それが少し尖ったものであると、クライアント側も火中の栗を一緒に拾ってくれるような姿勢でないと、実現することが難しい場合があります。でも、クライアントの方と一緒に考えていくと、本当にいいものができるという気がします。やっぱり正解は、クライアントの中にあると。そうした中、僕らはどうしたら世の中に伝わるかという点でのプロなので、その役割は果たさなければいけないと思います。

 ――クライアントとの関係において、どのような役割を果たすことが重要だとお考えですか?

 離れるシーンがありつつも一体感を出す、ということでしょうか。離れる理由の一つは、クライアントはやはり商品への愛もあるし、主観になりがちだから、僕らには客観的な視点が求められます。オリエン時から、その内容やメッセージが本当に世の中と接点があるのかを考えるし、ずれていれば別のことを提案します。

 もう一つは、僕らはあくまで黒子であるべき、と考えています。やっぱりマーケティングはクライアントのものだし、僕らがいくら良案を考えたってクライアントを通らなければ世の中に出ないわけだから、案件によっては僕らがけん引することがあっても、「僕らが考えました!」ということにはならないようにしてます。

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コミュニケーションの力で世の中をより良くしたい

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石谷 聡史(イシガイ サトシ)

株式会社電通 プラットフォーム・ビジネス局 コミュニケーション・プランナー

さまざまな企業の統合マーケティング戦略のコンサルティング・プランニング業務を行なう一方、コンタクトポイント・クロスメディア・PDCAなどマーケティング・コンバージェンスに関連する新しい手法開発にも従事。『クロスイッチ-電通式クロスメディアコミュニケーションのつくりかた-』(ダイヤモンド社)やクロスイッチを元にした英語書籍『The Dentsu Way』(McGraw-Hill)を中心となって企画・執筆。中国・韓国・タイでも翻訳本が出版される。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/08/23 14:00 https://markezine.jp/article/detail/18137

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