データ活用をメーンとしたソリューション事業に本腰
MarkeZine編集部(以下、MZ):昨年11月、ヤフーさんはこれまでの広告面やプラットフォームの提供に加え、ビッグデータとテクノロジーを駆使したマーケティングソリューション事業を展開すると発表されました。まずはこの背景からうかがえますか?
高田:ヤフーはメディアビジネスを16年続けてきて、メディアとしてはおかげさまで成長しましたが、一方で近年はユーザーの接触メディアの分散が課題になっていました。デバイスもPC、スマホ、タブレットと3種がスタンダードになり、平たく言えば「ユーザーがどこにいるのかいまいち分からない」状況になっています。
そこでユーザーをあらためて捉えるために、さまざまな場所に分散したデータをひもづけることが必要だと考え、データ活用を中心に据えた戦略を打ち出すに至りました。
MZ:11月にはそれぞれ専門性の高い計5社との協業も発表され、その一つがBrightTagでした。具体的な協業の内容は?
高田:同社とは昨年春にサービスの上で提携してYahoo!タグマネージャーを提供し始め、すでに2,000社以上に導入されています。今回はその提携を拡大し、スマホアプリやPOSシステム、CRMなどのブラウザー以外のデータソースからデータを取得する技術「BrightTag Fuse」を追加採用したプライベートDMPを開発します。
データを“ためる”から “つなげる”へ
高田:キーワードは「“ためる”から“つなげる”」です。データはためておいても1秒ごとに資産価値が減っていくので、ためるよりつなげることに焦点を当てて、リアルタイムでマーケティングに反映していきます。BrightTagとの協業も、その点でビジョンが一致したので、スムーズでした。
MZ:もともとBrightTagとは接点があったのですか?
高田:同じ業界にいる者として注目はしていました。2012年、たまたまBrightTagのセミナーが開催されると知りました。そのセミナーへ参加してその場でパートナーシップを直談判したのです。その後にアジアの窓口として山﨑さんが参画され、密にやりとりをするようになりました。
MZ:あらためて、どのような会社なのか教えていただけますか?
山﨑:BrightTagはシカゴをベースにしたスタートアップで、2010年に創立者のマーク・キベン、現CEOのマイク・サンズ、現CTOのエリック・ルントの3人がサービスを立ち上げました。3人ともシリアルアントレプレナーで、デジタルマーケティング業界で豊富な経験と実績をもっています。例えば、エリックはBrightTag参画前にFeedBurner社を創業し、現在もTwitterのシニアテクニカルアドバイザーを務めています。
タグマネジメントサービス自体は2007年ごろからありましたが、創業当初から、ブラウザーで動作するJavaScriptのタグを超えた広い視野でデータを捉え、より良く、速く、拡張性のある形でデータを収集し、それをマーケティングにつなげる新しい仕組みを世の中に提供することを目指して、サービスをスタートしました。