分析の中核となる「AD EBiSファミリー」
THREeのもうひとつの特徴として、AD EBiS、TAGエビス、ViewThruエビスなど、ロックオンが提供している他のプロダクト群との強力な連携が可能であることが挙げられます。AD EBiSの第三者配信機能によるビュースルーコンバージョンのデータ取得はもちろん、SEOエビスによるオーガニックトラフィックの分析、TAGエビスによるタグマネジメントからのリターゲティング分析など、考えうる広告運用に必要なすべての機能を提供しています。
単純化した例になりますが、第三者配信アドサーバとリスティング広告管理ツールは、通常異なるシステムで稼働するため、一気通貫の管理や分析を実施する際には、ディスプレイ広告配信時にリスティング管理ツール側のタグを同時に配信する必要があります。個別のプラットフォームを組み合わせると難易度が上がってしまうツール連携が、ロックオンの商品ラインナップではほとんどすべてカバーされており、ビュースルー-リスティング-SEO(オーガニック)など、必要に応じて自社が集中するべきマーケティング施策に必要な機能を連携させることができます。
こういったツールの選定やつなぎ込みなどは難易度が高い部分です。しかし、AD EBiSでデータを取得するだけでなく、THREeというインハウスマーケティング支援サービスを利用しながら、こうした施策を実施できるのは非常に強力なアドバンテージだといえるでしょう。
動きがよく分かる自動入札機能と日本ならではの各種サポート機能
最後に自動入札部分ですが、THREeそのものにも入札機能があるだけでなく、AD EBiSで取得したさまざまなデータをもとにTHREeで入札をする、というかたちでのデータ連携も可能です。AD EBiSファミリーとTHREeの組み合わせで、基本的な自動入札の機能は押さえられていますが、最も特徴的な機能として“ホワイトボックス”なポートフォリオ入札機能を挙げることができます。
ポートフォリオ入札は目標とするKPIに向かってキーワードの入札単価をコントロールしてくれる大変便利な機能ですが、ともすると機械任せになり、そこに存在する知見やマーケティング上の課題を見落としがちになります。THREeでは「ポートフォリオ実行履歴」機能の中で、なぜこのキーワードのCPCを上げたのか(下げたのか)という「理由」を見ることができ、そこから自社のキャンペーンの課題や現状のキーワード入稿での問題点などを把握することも可能です。
THREeではさらに自動化の色を濃くした新しいポートフォリオ(効率と予算の両方を最適化するもの)を開発しているようですが、そちらでも実行履歴の確認は重要な機能として引き継ぐ予定であるとのことです。
最後に、やはり国産ならではの利点というべきか、YDNとのつなぎ込みをいち早く行っており、バナーを含めたレポート閲覧が可能です。また地味な部分ではありますが、日付をベースにした自動入札で、日本のカレンダー(祝祭日)に対応済みであるなど、国内の商習慣・文化に対応していることもTHREeの自動入札のポイントになります。
ツールは導入しただけでは意味がありません。サポート体制やできるだけわかりやすいロジックでの自動化の提供など、ツールをどう使うべきかという部分まで踏み込んで考えると、この2社の存在は非常に重要になってくるでしょう。
