『雪道コワイ』はユーザーのためにつくった動画である
またご覧になったことが無い方も沢山おられると思いますので、まず動画をご紹介します。こちらがその動画です。
オンライン動画を作るにあたって、まずしっかりと頭に入れとかないといけない事実。それは、
「ユーザーは企業が発信する広告にまったく興味がない」
ということ。
ネット上には、面白い動画が沢山あります。
YouTubeだけでも無数の動画が存在し、素晴らしいアーティストの動画、一般人が投稿したオモシロ動画、ためになるハウツー動画、奇跡的一瞬を捉えた動画などなど。
当たり前ですが、ユーザーは自分のメリットにならないもの対して時間を割くほど暇ではありません。なので、TVCMと同じような感覚でオンライン動画をつくってしまうと失敗してしまいます。
オンライン動画は、ユーザーが自発的に見てくれて初めてその役目を果たします。クリエイティブの善し悪しとは関係なしに、見てくれなきゃ何も機能しないゴミとなるのです。
それには、ユーザーが自ら検索して見に来てくれるか、更にそれをTwitterやfacebookなどで拡散してもらう必要があるのです。
なので、企業側が一方的に言いたいことだけ言う広告ではダメなのです。ようするに、“広告”ではなく、人が求める・誰かに伝えたくなる“コンテンツ”として存在しないといけません。
企業サイドの「メッセージ」とユーザー側の「求めるもの(見たいもの)」、それらの共通項を探し出しコンテンツを作り出すのが肝心です。

そう『雪道コワイ』はそうした発想法に基づいて、ユーザーのためにつくった動画(=コンテンツ)となっているのです。
何が見たくなる動画なのか?
『雪道コワイ』のクライアントは、北九州にあるタイヤ通販会社のAUTOWAY。スタッドレスタイヤの需要が高まるウィンターシーズンに合わせて、YouTube動画を使ったキャンペーンを展開したいというオーダーでした。
事前の調査で、AUTOWAY自体は車好きの方や、整備工場さんなどのプロ方の間では既に高い認知を獲得していましたが、“タイヤを通販で買う”という新しいサービスということもあり、それ以外の一般の方の認知度が十分ではないということがわかっており、それがクライアントの課題でもありました。
そこで、スタッドレスタイヤの装着啓蒙と合わせた話題を作り、AUOTWAYの認知度を上げることがこのキャンペーンの最大のミッションとなりました。
さて、スタッドレスタイヤの装着啓蒙といっても、いくつものタイヤメーカーを扱っているAUTOWAYは1つのメーカーの機能を深堀りすることはできません。
つまり必然的に「雪道は危険だから、スタッドレスタイヤをつけましょう」ぐらいのことしか言えないのです。
しかし、このメッセージは今さら言われなくても恐らくほとんどの人がわかっていることです。大事なのは、そのメッセージとユーザーが求めるもののハブになるコンテンツを考えることだったのです。
そこでまず、YouTubeでよく閲覧されている動画を調べてみました。結果、よく閲覧される動画の傾向は、
- お色気、セクシー動画
- 圧倒的スケール感のある動画
- 衝撃動画、閲覧注意動画
の3つがありました。ここで目をつけたのは3です。
「雪道は怖い」というタグラインによって“閲覧注意動画”と“雪道の危険性”をつなげようと思ったのです。そこで出来たフレームが、あの“雪道で起こっためちゃくちゃ怖い投稿動画風の映像”なのです。