クロスチャネルOne-to-Oneマーケティングの実現を支援するCCCM
平たくまとめてしまうと、CCCM(クロスチャネル・キャンペーンマネジメント/Cross Chanel Campaign Management)は、クロスチャネルでOne-to-Oneマーケティングを実現するためのソリューションです。
One-to-Oneマーケティングは顧客一人一人のニーズや好みに合わせて商品やサービスを提供することで顧客満足を高めて長期的に商品の購入を続けてもらい、収益を最大化しようとするマーケティング戦略です。顧客との関係性を重視するリレーションシップマーケティングの一形態とも言えます。
One-to-Oneといっても提供できる商品の種類は限られていますし、顧客のニーズや好みも結局はいくつかのセグメントに集約されます。
しかし顧客の購買履歴や行動データなどから一人ひとりの顧客のことを理解し、その時顧客にとって最適と思われる商品をおすすめしたり、役立つ情報を提供すれば、企業は顧客との良好な関係を長期的に築くことができ、安定した収益を上げることができる(はずだ)という考え方が根底にあります。
CCCMによるコミュニケーションの自動化も、省力化のためではなく顧客一人ひとりに最適なタイミングでアプローチするために必要な機能です。
ソーシャルメディアが社会インフラとして定着し、顧客満足がクチコミとなって新規顧客獲得につながるようになった現在、顧客とのリレーションシップを重視するこのような考え方はますます重要性を増しています。
過去のデータによるOne-to-Oneコミュニケーション
CCCMで実現するOne-to-Oneコミュニケーションは利用するデータの種類によって大きく2つに分けることができます。
一つ目は購買履歴や属性情報など蓄積された過去のデータに基づいて行うコミュニケーションです。最も典型的な例が1990年代のCRMブームの時に広く導入されたロイヤリティプログラムのコミュニケーションですが、当時はまだインターネットのようなインフラもなくコンピューティングパワーも不足していて、構想通り実行することができたのはごく一握りの大企業でした。
例えばEコマースの場合、RFM分析などによって優良顧客を判別し、優良顧客にはさらに利用してもらうための手厚い特典やサービスを提供します。
購買をトリガーとしてその他のおすすめ商品を紹介したり、一定期間購入していない場合には「休眠顧客」になってしまう前にクーポンメールを送付して顧客の離反を防止します。
ポイントが貯まってランクアップが近づくと「あと100ポイントでゴールド会員ですよ。」と教えてあげますし、ランクアップ後には「おめでとうございます!こんな特典をご利用いただけますよ」とさらに利用を促進します。
他にもサイト全体のリピート率向上の鍵を握る2回目の購入を促進するための期間限定クーポンメールを初回購入直後に送信したりします。
以上のようなプログラムを(実際はもっと色々なプログラムがありますが)顧客の購買データと保有ポイントのデータに基づいて全て自動実行するわけです。
20年近く前から提唱されているCRM型コミュニケーションの典型ですが、口で言うのは簡単でも実現するのは本当に大変です。
私は特にKPIの設定がポイントだと思います。メール配信1本あたりのCVRとかプログラムごとの売上効果だけを追いかけると目的を見失ってしまいます。本来は施策全体の効果としての顧客構造の変化を中長期的な視点で見ていく必要があります。
このタイプのコミュニケーションのためには購買履歴や会員ランク、保有ポイントなどのCRM系データをCCCMに取り込む必要があります。CCCMによっては購買履歴から会員ランクを算出することもできますが、そこまでの機能がないものもあるので注意が必要です。