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ダイレクトマーケティング戦国時代「アドテック九州2014」

「出会った時から、CRMは始まっている」通販業界を牽引する、女性ダイレクトマーケターが集結!【アドテック九州2014】


既存と新規を分けて考えること自体が課題

 そして「今、注力して取り組んでいる課題」として、下記の図が提示された。

 「課題と言われた時に、既存と新規を分けて考えること自体が課題だと思います。本来であれば、お客さまは広告もキャンペーンも、全部をみています。お客様一人の中には、新規も既存もないのに、提供側が分けてしまうのはあまり意味がないことです。新規と既存をトータルでマネジメントする指標やKPI、何をチェックしていくのかを、共通認識しておくべきでしょう。

 また個別の課題のとして、KPIを課題に上げている方が少いですね。新規のKPI、既存のKPIと別々に設定してしまうと、施策が個別最適になり、活動がバラバラになってしまいます。そういった意味では新規と既存を合わせたKPIの設定であったり、課題設定の仕方が本当は必要でしょう」(林田氏)

出会った時から、CRMは始まっている

  そして最後に、これから一番大事にしたいことについて書かれたボードが提示された。

 「お客さまと最初に出会った瞬間から、すでにコミュニケーションは始まっています。言い換えると、同じ人と、同じコミュニケーションを取って行かないと、ちぐはぐになってしまうということです。ずっとお客さまとお付き合いしていく中で、テーマの一貫性を持って対応していきたいですね。点で施策を行っていたものを、きちんと線につなげていきます。出会った時から、CRMは始まっているのですから」(倉橋氏)

 それを受けて、「今、倉橋さんがおっしゃった出会いが大事ということ。それは私もすごく感じています」と宇野氏。「ものを買う時の女性の感覚は、商品のスペックや機能性などの理屈を抜きにして、『わぁ~この商品を使ったら何かいいことありそう!』といった感覚がすごくあると思っています。実際にお客さまも女性の方が多いので、もっとその感覚を磨いていきたいですね。

 今まではどうしても商品のスペックや内容を訴求しがちだったのですが、やはりこれだけ通販会社が増え、似たような商品がたくさんある中で、同じ訴求で売っていこうとしてもお客さまにななかなか届かなくなるでしょう。またたとえ届いたところで、スイッチされてしまうことも当然あるでしょう。なので出会った時から、どれだけ自分のための商品で、購入後の生活が楽しくなりそうかを描いてもらえる、そんなものをつくっていきます。それに伴い、コミュニケーションも変わっていくので、そこにもっと挑戦していきたいです」(宇野氏)

 「私もお二人と内容はかぶるのですが、『独自のポジションとオペレーションの一貫性』です。ポジションというのは、お客さまは誰なのか。そしてそのお客さまをどうして喜ばせられているのかということです。お客さまが誰かということは、意外に見失いがちです。お客さまがわかれば、その人たちを喜ばせればいいので、コストに関係のない付き合い方ができます。

 例えば、会報誌にうんとお金をかけてもいいし、商品の原価をあげてみても良いでしょう。そして明白に『やずやじゃなきゃダメ』とお客さまが言ってくれれば、それはオンリーワンになれたということです。そのためにはポジショニングをしっかりと論理的に設計しなければいけません。そしてポジショニングが決まったら、オペレーションを一貫していきます。各社がそれを実行できれば、通販業界において住み分けができ、お互いに伸びていける企業になれるのでは」(林田氏)

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/02 17:47 https://markezine.jp/article/detail/20555

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