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2013年東アジアスマホゲーム市場規模、前年比約2倍の9,168億円に急拡大【CyberZ調査】

 CyberZは、シード・プランニングと共同で、東アジアにおけるスマートフォンゲーム市場動向調査を行った。

東アジアのスマートフォンゲーム市場規模、前年比190%超で急成長

 東アジアにおけるスマートフォンゲーム市場では、スマートフォン端末の普及とともに、GooglePlayをはじめとしたプラットフォームの課金基盤が整備された、スマートフォンゲームユーザー数が急速に拡大し、一人当たりの課金額も大きく増加した。

 2012年から2013年にかけては、各国・地域において、気軽にプレイできるパズルゲームやランニングゲーム、パズルにRPG要素を兼ね備えたゲームタイトル等がヒットタイトルとなり、LINE、WeChat、カカオトークなど数億人規模のユーザーを有する無料通話・メッセージアプリやFacebookが、スマートフォンゲームを急速に普及させる役割を担った。

 また、大手IT事業者がスマートフォン向けゲームプラットフォーム事業への注力を本格化し、ユーザーがスマートフォンゲームに対して課金する環境が整備されるとともに、大手ゲーム会社の参入が相次ぎ、様々なジャンルのスマートフォンゲームの提供が進んだ。この結果、東アジアにおけるスマートフォンゲーム市場規模は9,168億円、前年比191.3%と急成長した。

中国

 中国では2012年頃より、国内携帯電話メーカーによる高スペックで低価格なスマートフォン端末の普及が急速に進み、2013年のスマートフォン契約数は4億台を突破し、スマートフォンゲームユーザーは3億人規模と想定される。

 中国国内では、Google Playが実質的に提供されておらず、BaiduやQihoo360、UCWeb等、独自の課金決済機能を持つスマートフォンゲームプラットフォームが数多く存在しており、ユーザーの多くはこれらのプラットフォームからダウンロードして遊ぶ傾向にある。

 2013年には、大手IT事業者によるスマートフォンゲームプラットフォーム事業への注力が本格化し、ユーザーの課金環境が整いました。2012年中頃より人気を博しているカードバトルゲームや、PCオンラインゲームにおいても高い人気を持つMMORPGゲーム、そしてポーカーゲームなどの課金性向の高いジャンルのゲームがユーザーから大きな支持を得た。この結果、ユーザー数の増加とともに、一人あたりの課金額が増加した。

 そして2013年後半には、数億人規模のユーザーを有するTencent社の無料通話・メッセージアプリWeChatがスマートフォンゲーム事業を開始したことにより、同アプリ上のユーザー同士のつながりを介して、スマートフォンゲームの普及が促進。これらを背景に、2013年の中国スマートフォンゲーム市場は2,100億円、対前年比247.1%に達した。

韓国

 韓国は、世界で最もモバイル通信環境が進んでおり、スマートフォンが最も早く普及した国の一つ。人口約4,900万人に対し、スマートフォンの普及率は約8割に達している。また、ゲーム産業の育成が国家政策とされており、事業者支援策や、管理・規制がなされていることも受け、大手からベンチャー企業まで、数多くのゲーム会社がスマートフォンゲーム市場に参入している。

 2011年7月に、韓国政府のゲーム等級委員会がスマートフォン・タブレットゲームの流通に関して規制緩和を実施し、それまで行っていた事前審査制が廃止され、流通がオープン化された。この結果、2012年以降、スマートフォンゲーム市場における有力なゲームタイトルの流通が加速した。

 また、国内で圧倒的なシェアを持つKakao社がスマートフォンゲームプラットフォームの提供を開始し、同サービスを介して、国内ITベンチャー企業が提供を開始したパズルRPGやランニングゲームなどが、国民的な大ヒットとなった。これらのゲームは新しいユーザーを獲得し、世代を問わずスマートフォンゲームが幅広く普及した。

 2013年後半には、RPGタイトルの普及が本格化し始め、ユーザー一人あたりの課金額が増加傾向になりました。これらを背景に、2013年の韓国スマートフォンゲーム市場は1,150億円、対前年比162.0%に達した。

台湾

 台湾では、人口約2,340万人に対し、一人に1台の割合でスマートフォン端末が普及している。一方、台北市による消費者保護法による規制のため、Googleが2011年9月からアプリケーションの有料販売を中止してきたことにより、2012年までは市場の本格的な形成には至らなかった。2013年には、政府が規制を解除し、同年2月にGoogleがアプリケーションの有料販売を再開し、これを機にスマートフォンゲーム市場が急速に立ち上がった。

 さらに台湾では、LINEやFacebookなどのソーシャルメディアの利用率が高く、スマートフォンゲームの普及に大きな役割を担った。また、日本・香港・中国・韓国など、国外のスマートフォンゲームが支持される傾向があり、2013年初旬に提供開始した、香港のゲーム会社が提供するパズルRPGが、ソーシャルメディアや現地に即したプロモーション活動を積極的に展開し、幅広く普及して国民的なヒットタイトルとなり、市場の急成長をけん引した。

 その他、課金性向の高いRPGも人気を博しました。国内のゲーム産業は、PCオンラインゲームから、スマートフォンゲームへと移行しており、2013年後半から、国内ゲーム会社による多数のスマートフォンタイトルが提供され、タイトル数は増加傾向にある。これらを背景に、2013年の台湾スマートフォンゲーム市場規模は、260億円、対前年比520.0%に達した。

香港

 香港は、スマートフォンの普及が世界で最も進んだ地域。人口は約720万人強と、他国と比べ市場規模は限定される一方、一人当たりGDPは東アジアでも高水準であり、クレジットカード決済も広く普及していることから、ユーザー一人当たりのゲーム課金額も日本と同様に高い傾向にあると想定される。

 そして香港の使用言語は中国語、英語であるため、中華圏や欧米圏のゲームが日常的に遊ばれている。また、日本や韓国などの様々な地域のゲームタイトルがゲームパブリッシャ―等を通して普及している。香港でのソーシャルメディアの普及率は高く、Facebookや、チャットアプリWhatsAppなどの利用率が高く、これらのサービスがスマートフォンゲームの普及においても大きな役割を果たしている。

 2013年は、香港におけるゲーム会社のパズルRPGや、欧州のパズルゲームや、日本から持ち込まれたスポーツゲーム、中国のRPGタイトル等が人気を得て、ユーザー一人当たりの課金額が上昇。これらを背景に、2013年の香港スマートフォンゲーム市場規模は190億円、対前年比172.7%に達した。

日本

 日本は、東アジアで最もスマートフォンゲーム市場規模が大きい国。人口約1.3億人に対する普及率は5割を超え、東アジアにおいては普及率の伸びしろが最も高いといえる。

 スマートフォンが普及する以前より、フィーチャーフォンにおけるブラウザゲーム市場が形成され、世界的に見ても特殊な市場構造をしている。ブラウザゲーム市場は、2012年頃よりスマートフォンへの市場移行が進んでいる。

 また、2012年後半より、ネイティブアプリゲームの普及が急速に進み、2013年にはパズルRPGゲームが国民的なヒットタイトルとなり市場の拡大をけん引した。日本においても、FacebookやLINEなどのソーシャルメディアがスマートフォンゲームの普及に大きな役割を果たした。2013年の日本スマートフォンゲーム市場は5,468億円、対前年比178.0%に達した。

2014年以降の東アジアのスマートフォンゲーム市場

 2014年の東アジアスマートフォンゲーム市場は、日本・中国におけるスマートフォンユーザー数の増加や、各国・地域におけるユーザー一人あたりの課金額の増加により、グローバル市場を牽引する高い成長率で市場が拡大する見込み。

 幅広く普及しているソーシャルメディアを強力なチャネルとして、これまでのカジュアルゲームに加え、課金性向が高いRPGなどのミッドコアゲームが普及し、市場拡大の後押しをすることが予想される。

 2015年以降は、日本・中国におけるスマートフォンの普及進展や、各国・地域における大手IT事業者によるゲームの課金・決済機能の充実化、流通基盤の整備が進み、既存のPCオンラインゲーム市場の一定割合がスマートフォンへと移行することなどにより、市場は拡大を続けるだろう。域内におけるスマートフォンゲームの相互流通が加速することにより、各国・地域においてユーザーは様々な国・地域のゲームで遊ぶことが出来るようになると考えられる。この結果、2017年の東アジアのスマートフォンゲーム市場は2013年の約2.4倍、2兆1,705億円に達すると推測する。

【調査概要】
調査主体:CyberZ
調査時期:2014年1~6月
調査方法:スマートフォンゲーム市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォンゲーム市場
調査機関:シード・プランニング

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2014/08/01 13:30 https://markezine.jp/article/detail/20625

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