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運用型広告時代の要!トレーディングデスク最前線(AD)

注目DSP事業社のキーパーソンと語る!(第3弾)トレーダー目線で切る、プログマティック市場の課題

「Excelのハードル」をいかに乗り越えるか

高橋:運用業務の中で効果分析・仮説検証の重要性と課題について話をしてきましたが、矢野さんがおっしゃられたように外部要因を見て運用するというのは非常に難しいことだと思うんです。そこに対してはどのようにアプローチなさっているんですか?

矢野:僕はアクセス解析を絶対にやらせるんです。アクセス解析は、例えるなら血液検査みたいなもので、血の流れと一緒でユーザーがどのように流れているのかを把握できるもの。これを知っているだけで、効果予測がしやすくなるし、次の施策が格段に練りやすくなります。

中條:弊社の場合、クライアントがサードパーティーの計測ツールを利用しているのなら、できるだけそのアカウントを共有していただくようにしています。たとえばディスプレイ配信後、サーチからの流入にどのような変化を及ぼしたのかを確認・共有するといった感じですね。

矢野:そういえば、業界の交流会で盛り上がる話題のひとつに「Excelのハードル」というネタがありますよね。トレーダーが数字を見る場合、中心になるのはやはりExcelのスキルだと思うんですが、ここを育てるのが難しい。皆さんはこの課題にどのように対処されていますか?

高橋:Excelに強い人を採用することもありますし、基本的な部分はマニュアルを作って教育していますね。

矢野:僕らもショートカット集のようなマニュアルを作ったことがあるんですが、結局それをモノにできるかどうかはその人にかかっているんですよね。ちょっとした操作なら、マニュアルを作ってそれを習得すれば速くなるはずなのに、なかなかできない。聞いてみると、「Excelは苦手・嫌」という心理的バイアスがかかっていて、数字そのものが嫌いなんじゃなくて「Excelができないから数字が嫌い」という負のスパイラルに陥っているんです。しかし逆に、ここを乗り越えると、データの捌き方や数字の感性が磨かれて、面白くなると思うんですけど。

中條:実は僕もどちらかというとExcelは苦手な方なので、極力まわりの得意なスタッフに聞くようにしてます。ちかくにすぐ訪ねられる環境があるのはとてもハッピーですし、大きなポイントだと思います。Excel自体「作業効率化を図るツールであるはずなのに、こんなに時間がかかるはずが無い」と疑う心も重要なのかなと。

トレーダーの仕事に答えはない。常に仮説を見つけて、検証を繰り返していく

高橋:結局、Excelや数字が苦手でも、「やるしかない」という意識を持てるかどうかが左右するのかもしれませんね(笑)。

矢野:そこを考えると、この業界に残って活躍しているトレーダーの方はみんな、気合いと根性で乗り切ってきた、かなりタフな方ばかりということですよね……。うーん、ただでさえ慢性的な人材不足なので、タフさやExcelとの親和性がトレーダーへの条件になると、人材の間口が狭くなってしまうんじゃないかな。

高橋:私は採用面接の時に、「理科の実験みたいな仕事だけど、実験は好きでしたか?」と聞くようにしているんです。トレーダー業務には、回答が用意されているわけではありません。常に仮説を見つけて、ひたすら検証という名の実験を回していく業務です。だから「理科の実験が好き」とか、何かを追求していこうという姿勢があるなら、この仕事は結構向いていると思うんですよ。

矢野:確かに、どういうマインドセットにあるかは重要ですね。

高橋:では最後に、運用型広告の市場、そしてトレーダーという仕事をより盛り上げるために必要なこととは何か、お考えを聞かせて下さい。

矢野:総括になりますが、やはりプロダクトやソリューションの幅を広げていくことが重要だと思っています。例えばアクセス解析ができるというのもそうですが、「こういうニーズであれば、リスティングをやってみましょう」とか「ディスプレイもできます」「どんなDSPでも3PASも使えます」といったように、クライアントの課題に対し、いかに多くの選択肢やソリューションを提示できるかが鍵だと思います。

中條:RTBを含む、プログラマティックバイイングの需要は確かにのびてはいますが、個人的にはこの分野に巨大なバジェットがあるとは思ってはおりません。ですのでそこでパイを奪い合うのではなく、競合関係にある広告代理店やトレーディング事業社がヨコ展開で知識を共有しつつ、全体で市場の成長・発展に向け、前進していけたらいいなと思っております。

高橋:私もお二人の意見と一部共通するのですが、個人的にはDMP(Data Management Platform)の活用を進めていくことも大きな鍵になると考えています。サイト内でどういう行動をしているユーザーがCVに繋がりやすいのか、それと相関の高い外部データ(要因)は何かを検証し続けていく。そのためのDMPだと思っており、リターゲティングからの脱却や当社が目指す「事業支援型トレーディングデスク」にも近づくのではないかと考えています。

 購買データもCRMも、プライベートもパブリックも、すべてにおいてDMPを有効活用できる人材が増えてくればいいなと思っています。こうした現場視点での課題については、いくらでも話は尽きないので、また逐次情報交換しましょう。本日はありがとうございました!

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2014/10/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/20815

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