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運用型広告時代の要!トレーディングデスク最前線(AD)

注目DSP事業社のキーパーソンと語る!(第3弾)トレーダー目線で切る、プログマティック市場の課題

スマホ広告市場におけるプログラマティック化の課題

高橋:ところで先日サイバーエージェント社が、「アドテクノロジー市場の成長率調査資料」を発表しました。これによると、スマホ向け広告市場の需要が拡大しており、2015年にはPC広告を抜き、2017年にはシェアが67.0%となると予想しているようです。これについてはいかがでしょうか。

サイバーエージェント社の「アドテクノロジー市場の成長率調査資料」より

矢野:今スマホ分野の広告費が多くなっているのは事実ですし、納得できますよ。アクセス解析すると一目瞭然ですが、企業サイトへの流入経路はPCよりスマホの方が多くなっているんです。またスマホメディアは非常にPVが多いため、大量に広告在庫があります。この調子でスマホ広告への出稿が集中すれば、かなり早いうちにPC広告とシェアが逆転するかもしれませんね。

高橋:そうすると、運用側としてはPCとスマホ、両方のコンバージョンを見る必要が出てきますね。

矢野:それも課題のひとつですね。少し前にアトリビューション分析が流行りましたが、スマホ広告の伸びに伴い、PCとスマホをまたいだトラッキングができない、つまりクロスデバイス間でコンバージョンを測定できないという問題がますます大きくなっています。

高橋:クロスデバイスへの対応は具体的に何かされていますか。

矢野:技術上は可能だと思いますが、DSPの方が追いついていないので、待機状態といったところでしょうか。

中條:弊社も基本的にはDSP・SSPの対応を待ちわびている状況です。たとえば外出時にスマホで広告接触したユーザーが、帰宅後にPCで検索をしコンバージョンに至っているケースも、商材によっては少なかれあると思っておりますので。

マーケティング・トレーダーに求められる資質

高橋:コンバージョンという観点をきっかけに、少し話は飛びますが、トレーダーの運用業務について考えてみたいと思います。運用業務といえば、一般的にイメージされるのはCPA(Cost Per Acquisition)を中心とする「数字のモニタリング」でしょうか。これを基に仮説を導き出し、検証を重ねることで、顧客のペルソナやカスタマージャーニーを描いた運用に近づけていく……というのが理想ですが、実際はなかなか難しい。この理由は何だとお考えですか?

中條:各人が知識を抱え込んで、属人化していく傾向にありますよね。本来ならそういう知識を拡散しないといけないのに、日々の業務に埋もれてなかなか知識の共有や育成ができていないと感じています。

株式会社オムニバス プランニング&トレーディング Div. マネージャー 矢野哲快氏

矢野:トレーダー業務を考えると、アドテクを活用して効果を出すというフェーズまでやりにくいのが現実だと思います。広告出稿までの準備にどうしても時間を取られてしまうんですよ。例えばサードパーティーのアドサーバーを使って入稿したりすると、なぜかバルクアップできないというエラーが出たので、結局手作業で入稿するという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 プログラマティックといいながら、動かすためには結構な手間が掛かるので、数字をしっかり捉える時間がなくなってしまう。あと、管理画面でなまじさまざまなレポートが見られるので、そこだけで完結してしまうのもネックですね。

高橋:管理画面ではいろいろなデータが見られますが、矢野さんがおっしゃっているのは、単に数字を全部見るのではなく、「どこを見るか」というひらめきの部分でしょうか?

矢野:そうです。効果を出すために逆算して考える、悪くなった原因を分析するといったことについて、運用型広告のトレーダーは全般的に弱い傾向にあると感じます。逆にリスティング広告の専門家は、そこに関してはプロなんです。トレーダーはアドテクのTechが中心だけど、リスティングの方は数字に強い。一種の補完関係みたいなものなのかもしれませんけど。

高橋:その違いは、何が原因なのでしょうか。

矢野:リスティングは情報量が多いんです。キーワード1つ取っても、大型アカウントになると平気で数百万件くらいありますから。なので数字を一つひとつ見ていくとキリがないから、データ抽出の引き出しの多さや、不要なデータをバサッと切る感性があるんです。一方、ディスプレイ系の運用型広告の場合、複数のプラットフォームを併用していると、同じユーザを重複してターゲティングしている場合も多く、どこかのプラットフォームにコンバージョンが吸い取られているケースもあるのですが、そういうものは単に数字を見ていてもなかなか出てこない。

 また、効率は良いのだけれど、全然露出を増やせなかったリターゲティング広告のボリュームが増えたとします。たまたまSNSでバズったおかげて、サイトの流入が増えただけなんですが。でも、そういうケースは大半がライトユーザーの流入なので、CVRが下がることも。設定上は何も変えてないのに、なぜかボリュームが増えて、何故か効果が悪くなるという、自分の知らない要因で因果関係が補足しにくい状況が起こります。ディスプレイ系の場合、こういう外部要因に左右されやすい環境もあるので、一概に数字に強い弱いだけでは語れない部分もあるので仕方ないんですけどね。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2014/10/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/20815

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