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統括編集長インタビュー

「ブランド戦略の一環として」グローバル化を推進する日立製作所Webリニューアルの舞台裏

厳守すべき点と任せる点を明確に

押久保:ガイドラインを改訂しながら、リニューアルを重ねてきたわけですね。

池端:そうですね。ガバナンスしているサイト数は膨大なので、こちらですべて確認して管理していくことは不可能です。なので、デザインやナビゲーションなどのルールの最適化はずっと課題でした。

押久保:この数年でWebに触れる人が一気に増え、一般化しているので、最低限の統一がますます重要になっているという背景もありますよね。先ほど、今回のリニューアルについて「厳守すべき点と任せる点を明確にした」というお話がありましたが、これはどういうことでしょうか?

西田:07年のときに、けっこう厳しくルールづくりをしたんです。すると、制限しすぎたために、各事業体の意向を反映しにくい、あるいはサイトを閲覧する方の立場からすると使い勝手がよくない場合がある、といった事態が起きました。細かい部分はどうしても例外が出てしまうので、縛りすぎるのは逆効果だと反省しました。

 そこで今回は、各ページのロゴの位置やナビゲーション、コーポレートカラーの使い方など、例外なく守ってほしいところを見極めて、それ以外はある程度の裁量を持たせる方向で改訂しました。

あいまいなケースは議論の上で返答を

押久保:なるほど。でも、裁量を認めると、それだけ個別の判断が必要になりますよね。どう対応されているのですか?

西田:ケースバイケースですね。以前は属人的に判断してしまっていることもありましたが、今はグループで議論し、ひとつずつ返答しています。労力はかかりますが、議論の経緯を添えて戻すと、仮に認められないという結論でも納得してくれます。

押久保:ちなみに、具体的にはどんなケースがありますか?

池端:例えば、サイトの上部を「ブランディングエリア」と称して大きな画像を出せるようにしていますが、その高さをガイドラインでは「何から何ピクセルまでを推奨」とだけ書いています。すると、「必ずこの高さとは書いていないから、あと何ピクセル大きくしてもいいか」という問い合わせが来ます。

株式会社日立製作所 ブランド・コミュニケーション本部 宣伝部 Web戦略グループ 主任 池端舞子氏
株式会社日立製作所 ブランド・コミュニケーション本部
宣伝部 主任 池端舞子氏

 それは自社の戦略に基づいて制作会社と話し合った上での案でしょうから、無下に却下はできませんが、やはり大幅に逸脱していると日立グループとして捉えたときに異質に見えてしまいます。その線引きを、都度話し合って決めています。

西田:線引きが難しい相談があるということは、見方を変えればそれだけ熱心に自社のWeb戦略とガイドラインとのすり合わせをしているとも言えます。それにはこちらも応えたいと考えています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/09/30 08:00 https://markezine.jp/article/detail/20818

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