3つの差別化要因でコンバージョンを徹底して追求
まず、システムのコアバリューを担うエンジンとアルゴリズムは、前述の厚いエンジニア層によって、日々進化を遂げている。例えばファッションEC系の広告主の事例では、CTRがモバイルでは0.81%、PCでは0.84%。CVRはモバイルで5.12%、PCで4.01%と、一般的な同業態での平均よりも高い数値が上がっている。「タグをサイトの隅々まで埋め込むことで、どのユーザーがコンバージョンしているのか、どのような行動をとったユーザーならコンバージョンしやすいのかまで分析できます」と鈴木氏。
さらに現在、同社独自の最適化の仕組み「コンバージョンオプティマイザー」がバージョンアップし、よりコンバージョンしやすいユーザーに絞ってアプローチできるようになった。その方法とは、可能性の低いユーザーはインプレッションから排除するのだ。これにより、モバイルでも大幅にコンバージョンを高めることが可能になった。
次に挙げられたダイナミックバナーとは、媒体に合わせてバナーを自動生成する仕組みを指す。それも、同一媒体内でも広告主が入稿した素材を元に、レイアウトやカラーセットをさまざまに組み替えて、より効果のあるクリエイティブを自動的に選択していくことが大きな特徴だ。その組み合わせは、入稿素材が特別多くない場合でも、数十万通りに上る。
複数キャンペーンを横断して一括入札できる「Engine Optimized Segment」
1つ目、2つ目の要因によって、モバイル広告においてもコンバージョンの向上に徹底してこだわっている。それに加えて、3つ目に挙げられた豊富な配信ネットワークによって、リーチの面でも「常に努力しています」と鈴木氏。実際にCriteoのリーチ率は非常に高く、日本のインターネットユーザーの約10人に9人が、1カ月の間に1回以上Criteoの仕組みによる広告に接しているというデータが発表されている。
これらの仕組みをモバイル広告においてもいち早く取り入れた企業は、すでに日本市場で大きく成果を伸ばしている。例えば最近、いくつかの企業で高い効果を上げたのは、入札を最適化する「Engine Optimized Segment」という機能。キャンペーンを細分化すると、ユーザーごとのコンバージョン率の分析母数が縮小して、入札が難しくなるが、この機能を使うと複数のキャンペーンを横断して一括で入札することで、コンバージョンしそうなユーザーをより広範囲で分析可能となる。
また、クリエイティブの面でも、Criteoならではの仕組みによって大幅な改善がもたらされている。例えば「Darwin」というテンプレートを活用した組み替えでは、最もCTRが上がったパターンで25%もの向上が見られた例もあるという。