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統括編集長インタビュー

動画視聴前の広告効果は?Googleが明らかにする動画広告の効果

ネガティブな購入意向が軽減された

多田:購入意向については、今回は残念ながら対照区と比較して明確なリフトは認められませんでした。ただ、もう少し詳しく分析してみると「購入したいとは思わない」という人の割合を下げる方向には、効いていることがわかりました。

押久保:割と、ぐっと減った印象ですね。

多田:そうですね。配信回数で見ると、グループごとに効いた回数は違いますが、いずれにしてもネガティブな購入意向を軽減することはできたといえます。これは私たちにとっても興味深い結果でしたし、あくまで期待ですが、継続すればプラスに転じることもあるのではないかと思います。

押久保:では、今回の結果からいえることを解説いただけますか。

多田:まず、有意差検定を基にした評価で広告非接触のグループと比較し、今回のヴィートの各指標で効果があると認められました。中でも通常型は商品認知に効果があり、興味喚起・購入意向では同程度、逆にTrueViewはメッセージ到達の効果がありました。視聴回数は、TrueViewでは2回視聴のほうが効果がありましたが、通常型は指標によって分かれました。また、TrueViewでも完全視聴した人は、効果が高い傾向があります。

 一方で、通常型は1回と2回視聴のどちらが優位かは指標により分かれる結果となりました。例えば、興味喚起で1回視聴で効果が見られ、商品認知では2回視聴をすると効果が出ました。

通常型はマス的なプランニング、TrueViewは運用に

押久保:Googleがこうした調査を実施し開示していくのは、市場が発展するのに重要な取り組みだと思います。今回の手応えと今後の展望を聞かせてください。

佐藤:今回、一調査にすぎませんが、さまざまなインサイトを得ることができたと思います。YouTubeのマーケティングへの活用について、これまでも「広告枠としてどう使えばいいか」そして「どのようなコンテンツが適切か」を伝えることを重視してきましたが、今回は前者をより詳細にお伝えするのに役立つと思います。

 通常型とTrueViewを比較できたことも、大きかったですね。通常型は、予約購入されることが多く、一方選択型はオークションで購入されることが多いです。今回得られた結果でいうと、通常型は商品認知により効果があったので、デジタル広告の一貫としてだけではなく、TV投資による商品認知、広告認知を目的とするためにプランを組むメディアプランナーの選択肢の一つといった考え方の発想も可能になると思います。

押久保:なるほど、その見方は新しいですね。

佐藤:一方、TrueViewはオークションなので、運用型ネット広告のひとつとして使っていくことが考えられます。ただ、ブランドへの貢献を期待する動画活用という点ではやはりCPV(Cost per View)やCPAだけを重視するとリーチが出ないので、通常のデジタル広告の運用とは異なる手法も検討の余地があると考えられます。

 動画広告は、映像によるメッセージ発信ができるがゆえ、「ブランドへの貢献」も求められることが多いです。活用の目的にもよりますが、TV投資のメディアプランナーが通常プレロールをテレビと共に予約型で活用するデジタル発想、デジタル投資のプランナーが、TrueViewをリーチ重視で運用するTV発想になることで、動画広告の効果をいっそうのばしていけるのではと、今回の結果から感じました。

 本調査は、あくまで動画広告の 1キャンペーンの結果ですが、動画広告のブランド領域にどのような貢献ができるかの答えを導くため、Googleは今後もさまざまな取り組みを続けていきます。

押久保:両方をまたげるような人材や組織が出てくると、より適切なプランニングやゴール設定ができそうですね。貴重なレポートをありがとうございました。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/11/18 14:00 https://markezine.jp/article/detail/21217

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