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「2015年は国内マーケティング業界飛躍の年」セールスフォースが語るトップマーケターの問題意識

カスタマージャーニーにおける「最も重要な瞬間」を考える

 JAPAN CMO CLUBを通じた「成果につながりそうなアイディア」とは、トップマーケターの横連携から生まれるコラボレーションを指す。もちろん具体的な展開は今後のことになるが、まずは「コラボレーションを実現する土壌ができたことには大きな意義があります」と加藤氏は語る。

 コラボレーションとは、それぞれの製品・サービスの特長を活かし、相乗効果で顧客に唯一無二のエクスペリエンスを提供することを意味する。例えば、昨年11月末にJR東海とJALが共同開発した旅行商品「航空×鉄道・おもしろ体験2日間」のような取り組みを想像すると分かりやすいだろう。

 こうしたコラボレーション実施においてキーとなり、今日のマーケティングにおいて外すことができないコアコンセプトが、「カスタマージャーニー」だ。カスタマージャーニーとは、「顧客が広告を見る瞬間」「商品を買う瞬間」「クチコミをする瞬間」など、さまざまな瞬間が集まって構成されるもので、企業と顧客のコミュニケーションフローともいえる。

 カスタマージャーニーという概念自体は新しいものではない。しかし、10年前と2015年のそれではその中身が大きく異なる。現在はモバイルテクノロジーの進化に加え、チャネル自体も、Webやメールやソーシャルメディア、そしてLINEのようなコミュニケーションアプリなど多様化している。そして顧客側がこうした新しいメディアやツールを使いこなしているのに対し、残念ながら企業はこれらのテクノロジーに対応しきれていない。つまり「カスタマージャーニーのフローは顧客側が選択している」という状態で、前述したとおり、企業と顧客の間に大きなギャップが生じている。

 JAPAN CMO CLUBでは、トップマーケターが集まって「自社と顧客のカスタマージャーニーにおいて、最も重要だと思うポイント」を話し合っているという。例えばコーヒーを提供する会社なら「顧客がコーヒーのパッケージを開けて、香りを嗅ぐ瞬間」であり、ティッシュペーパーなら「顧客がドラッグストアやスーパーに置かれたパッケージを見て『かわいい』と思う瞬間」など、その企業の商材やサービスの特徴に応じてさまざまな重要ポイントがある。

 「これはまさに、顧客が『商品を買おう』と決める瞬間です」と加藤氏。その瞬間こそが他社と自社の差別化ポイントであり、カスタマージャーニーにおいてその瞬間の差別化を図っていくことが今日のマーケティングなのだ。もし商材が異なっても、「重要な瞬間」を共有できるのであれば、企業同士がコラボレーションすることでより相乗効果を上げられるのだ。

まず行うべきはカスタマージャーニーの最適化

 Marketing Cloudは、まさにこのカスタマージャーニーを最適化するためのソリューションだ。JAPAN CMO CLUBでは、トップマーケターが集結してカスタマージャーニーについて議論しており、新たなコラボレーションやノウハウが誕生する兆しもある。しかし、国内におけるすべての企業が同様のスキルを持っているわけではないだろう。加藤氏は「個別作業に忙殺される企業の多くが、そもそもカスタマージャーニーを描けていないことが多いのです」と指摘する。

 例えば顧客セグメントなど基本的なことが疎かになっていたり、またソーシャルメディアアカウントをブランドや店舗ごとに管理してバラバラに運用していたり、さらには「コンテンツがどこに格納されているのか分からない」「スケジュール投稿も人力で行なっている」などのように、目前に迫る「作業」に忙殺されているケースも多い。こうした業務を各部署でやるべきことでなく、顧客がとる一連の行動という視点で整理し、戦略につなげられるのがMarketing Cloudの特徴だ。例えば、一元化されたダッシュボード上に、オフライン/オンラインを問わない顧客と接する瞬間を設計し、顧客とのコミュニケーションを促進することができる。

 Marketing Cloud で設計されたカスタマージャーニー
Marketing Cloud で設計されたカスタマージャーニー

 カスタマージャーニーを描きにくくなっている原因としては、多種多様なデバイスやチャネルが混在していることも一因だが、何よりも企業自身がテクノロジーに翻弄され、差別化となるポイントを見失っていることも大きい。Marketing Cloudはそうした根本を見直すのに有効なのだ。例えば企業・ブランドの特徴が「接客」であれば、店舗での対応はもちろん、アフターサービスに至るまで同様の質を保つ必要があるし、ソーシャルチャネルでの対応も見直す必要がある。

 個別施策の運用に悩む企業にとっては大きな話に思えるが、逆に現場の担当者からすると、ビジョンなき施策の向上は見込めない。「サイロ化した課題に目を奪われるより、ビジョンを共有して根本に目を向ける企業のほうが、Marketing Cloudを上手に活用できると思います」(加藤氏)

加藤氏が語るマーケティング最新事例

 「MarkeZineDay 2015 Spring」に加藤氏の登壇が決定しました。最新マーケティング事例やJAPAN CMO CLUBの取り組みが、さらに詳しく紹介されます。ぜひ、ご参加ください!

【セッション情報】「MarkeZineDay 2015 Spring 」A-5セッション
『The Future of Marketing 2015- One to One カスタマージャーニーから見えてくるマーケティングの未来』
◎紹介事例 (予定) : キンプトンホテルズ、LIVE Nation、東急百貨店、JAPAN CMO CLUB参加企業

・開催日/時:2015年3月17日(火)/15:30~16:20
・場所:ソラシティ カンファレンスセンター
・お申し込み:こちらから

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/01/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/21742

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