面で獲りにいくBtoB、如何にアプローチすべきか
押久保:一方、BtoBの場合、BtoCよりはチャネルも絞られているかと思いますが、いかがでしょうか?
田崎:その意味では、今も企業のWebサイトとメールの2つがチャネルとして圧倒的ですね。ただし、初期段階ではFacebookページやTwitterも便利に使われ始めています。Webサイトとメールの重要性は変わらないでしょうが、BtoBでも企業は確実に新しいチャネルを広げています。
押久保:今、BtoBにはどのような課題がありますか?
田崎:環境の変化や顧客像の捉え方についてはBtoCと同じです。ただBtoB領域は最終的には1対1というより1対n、個人ではなく組織に対する販売活動になります。購買までの意思決定に複数の担当者が関わるからです。
そこには、いわゆるデジタルネイティブの若手から、かつてはFAXと手帳で仕事をしていたような最終決裁者までが含まれます。この戦線拡大に対してどうマーケティングをしていくかが、大きな課題です。
押久保:カスタマージャーニーの設計も複数が相手になり、さらにリテラシーや志向性に幅があると。
田崎:そうですね。ある程度までは個人を対象としたジャーニーになりますが、案件の成約までには“面”で組織を押さえる活動が必要です。BtoBのMAツールは、現在はSFAを使う営業へボールを渡すことがゴールとなっており、営業担当が人的に対応する部分も多く残っています。しかし、今後はテクノロジーの発展によって、必ずMAとSFAは統合されるでしょう。
BtoC・BtoB、相互にノウハウを取り入れるには
押久保:BtoCとBtoB両方のソリューションをカバーされていると、相互に活かせるノウハウがあるのではと思いますが、いかがでしょうか?
加藤:「MAツールが何を自動化するのか」を整理すると、分かりやすくなると思います。どちらも、MAツールがカスタマージャーニーを促進するのは同じですが、図式化するならBtoCは円、BtoBはファネル、つまり漏斗型です。
BtoCでのジャーニーは、新規から購買、関係を強化してリピート化へという継続的な形になります。この各段階で発生するインタラクションを効率化し、量的にも質的にもバランスを取っていくことが、MAツールの担うものです。一方でBtoBのカスタマージャーニーは、成約をゴールとするセールスファネルで表せます
押久保:なるほど。BtoCの円形のジャーニーのうち、新規リード獲得から販売までを抜き出すようなイメージですね。
加藤:はい。ここでのMAツールは、各段階でターゲットを正しくスコアリングし、ホットリードをいかに多く次へつなげるかを自動化しています。
田崎:商材の特性を考えると、BtoCは購買アクションが流行や広告の影響を受けやすく、検討期間も比較的短い。BtoBはその逆で、”ノリ”では買えないものが多い。顧客と丁寧に距離を縮めることが成果につながるので、スコアリングが効果的なんです。そのためBtoCでも、関係構築を見据えて「今月の距離感」。裏返せば「今月の興味度合い」といった形でスコアリングの概念を活かせると思います。住宅や車などの高額商品なら、すぐに応用できるでしょう。
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