CRM領域No.1の実績をもって両領域のMAツールを展開
押久保:2014年6月に日本市場へ「Salesforce Marketing Cloud」(以下、Marketing Cloud)をローンチされてから、着々と導入事例が増えているそうですね。
加藤:おかげさまで、多くの企業に導入いただいている状況です。
押久保:この2年ほどで、日本にも複数のマーケティングオートメーション(以下、MA)ツールが登場しています。この状況におけるセールスフォースの強みは、すでにCRM領域での実績を持ち、日本でのビジネスを包括的に支援するソリューション群とサポート体制が形成されていることにあるかと思います。
加藤:そうですね。日本市場にすでに基盤があるという点で、安心して選んでいただいています。既存のSalesforce製品との連携がスムーズなことも大きいと思います。
押久保:今年にはいってから、BtoB向けのMAツール「Salesforce Pardot」(以下、Pardot)も販売体制を強化されています。この経緯についてうかがえますか?
田崎:Marketing Cloudの前身であるExactTargetもPardotも、元はそれぞれ同名のベンダー企業が販売していましたが、2012年にExactTargetがPardotを買収しました。その翌年に当社がExactTargetを買収し、ファミリーになりました。
これにより、SFAやCRMとスムーズに連携し、且つBtoC・BtoBに関わらずMAをご活用いただくことが可能です。例えば百貨店など、一般と法人の両ビジネスを展開する企業では、Marketing CloudとPardotの両方を使われるケースもあります。
生活者と企業に意識のギャップ、BtoC領域が抱える課題
押久保:BtoC・BtoBそれぞれの領域で、MAツールが求められている背景や現状の課題を教えてください。
加藤:私は多くのBtoC企業への導入が進んでいるMarketing Cloudを担当していますが、BtoCではまず、デジタル化やスマート化が進んでいることは自明ですね。生活者は今やいつでもどこでも情報やコンテンツを得られ、また発信しています。
一方で企業の側を見ると、そのような変化にまだ追いつけていない。つまり両者の間に乖離があります。今、生活者が価値を感じているのは、企業からの単なる情報提供ではなく「自分に合った情報を欲しいときに届けてくれる」ことです。それに応えるには、MAツールのような新しい技術を使って、多様化するチャネルを踏まえた上でOne to Oneの関係を築く必要があるのです。
押久保:では、どのようなステップでOne to Oneの関係を築けばいいのでしょうか。
加藤:属性や行動情報、思考情報などを元に、それぞれの顧客や潜在顧客がどういった人物なのか、シングルカスタマービューをつくることが第一のチャレンジになります。そのために、POS、Webやメール、LINE経由など、チャネルごとに分断化した行動データを統合して、各顧客へ紐づけていきます。
各顧客の姿や志向が把握できたら、次はどうコミュニケーションを図ればいいか、カスタマージャーニーを設計します。最後に、その人がどこにいても必要な情報を適切なタイミングで受け取れるように、マルチチャネルへ対応します。
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