データをどうつなげるか、ルール設定こそ重要
MZ:なるほど。デバイスをまたいでサイトやアプリにアクセスするユーザーを、精度高く「同じユーザーだ」と検出できれば、その行動に合わせたコンテンツ提供や広告配信ができますよね。
鳥井:ええ。Resolveでは、デバイスやOS環境に依存せず、デジタルユーザーを単一のマスターIDに集約します。結果、高いエンゲージメント効果が見込めますし、コスト削減にもなります。
加えて、自社でログインIDを持たない企業では、FacebookやApple、Googleなど第三者のプラットフォーマーが提供するIDにユーザーIDを委ねるケースが多いですが、これらプラットフォーマーの挙動に左右されるリスクも高い。自社内にデータリンケージシステムを持つことは、この課題からも求められていました。
MZ:どういった仕組みで、マスターIDの生成が可能になるのですか?
鳥井:複数のトラフィックとそこに振られた各種IDを照合し、穴を埋めていく形で同一ユーザーを特定します。例えば最初のトラフィックで、CookieとIPアドレスとDI IDが付与されていたら、次のトラフィックでどれかが抜けていても同一ユーザーだと分かりますよね。この比べ方や優先順位の付け方が、企業ごとに違うので、それをルールとして導き出します。ユーザーの特性を加味して、データをリンケージするルールをうまく作ることが重要です。
インタースペース、アフィリエイト事業にResolve導入
MZ:では、ここからは導入企業の生の声をうかがいたいと思います。アフィリエイト事業を中心に展開するインタースペースは、Resolveの国内導入第一号の企業となったそうですが、まずは導入前の課題を教えていただけますか?
日向:まさに鳥井さんが言われたように、自社内のID情報をつなげられていないことが課題でした。背景にあるのは、やはりスマートフォンの台頭と、データのフラグメンテーション(断片化)です。ユーザートラッキングにはCookieを使っていましたが、正直、どこまで抜けがあるのかも検証できていませんでした。
MZ:どういった点がResolveを導入された決め手になりましたか?
日向:元々、先に挙げた課題から、今後は非Cookieが重要なトラッキングシステムになると思っていました。合わせて、鳥井さんとは以前からご縁があり、AdTruthの技術についてもうかがっていたのでメリットは分かっていたんです。ただ、自社で導入したときにシステム面やルール設計などをどうすればいいか、あまりイメージできていませんでした。
今回、AdTruthのソリューション導入を決めたのは、ひとつはResolveが登場したことが大きいです。自社でIDを統合し、どのような展開ができるかを具体的に描けました。加えて、導入前のノウハウがない状態だと目的意識を固めにくいところがありますが、鳥井さんと何度もお話する中で明確になり、信頼関係ができたことも決め手のひとつですね。