スマホによって動的なコンバージョン把握が進む
MZ:たしかに、以前は「スマートフォンで検索して買うのはパソコン」という行動が主流でしたが、今やスマートフォンですべてを完結するというのが主流になりつつありますね。
齋藤:そうなんです。だから、コンバージョンが測りやすくなったことは大きいですね。もうひとつ、スマートフォンは活動中のタイミングで検索するので、そのまま来店などの実際の行動をコンバージョンとして捉えることも物理的には可能です。これを可視化していくのはこれからですが、パソコンだけでは把握しづらかったさまざまなコンバージョンが分かりつつあります。
出稿企業の傾向としては、若い人向けの商材なら当然スマートフォンですし、リアルタイム性の高い飲食店や価格帯の低い商品の場合もスマートフォン、一方で不動産などの高額商材はまだパソコンへの出稿が中心です。親和性の高い業種で、スマートフォンでのコンバージョンの把握が進みそうです。
MZ:若年層向けだと、LPやフォームなどのスマホ最適化はかなり浸透しています。ナショナルクライアントだと、今でもリーチではテレビCMの獲得効率が圧倒的でも、10代だけ抜けてしまうといった話も聞くので、検索連動型広告の使い方にも影響がありそうですね。
齋藤:たしかに、テレビを見ない層にとってのファーストスクリーンはスマホになりますね。なので、若年層をスマートフォンで捉えたいというニーズはナショナルクライアントを含めて大きいと思いますし、実際に多くお話をいただいています。
“運用型”広告というハードルを下げ、新規利用を促進
MZ:スマートフォンの拡大は、若年層に限らず今後も確実だと思いますが、ヤフーとしては検索連動型広告を中心に今後の展望をどうお考えですか?
齋藤:広告主さまへの調査では、「2-3年後の検索連動型広告の予算が増える」と回答した企業が半数を超えていました。すでに定番化したプロダクトですが、これからさらにインターネット広告を活用したい企業や、先ほどの若年層の話のようにニーズはあるけれど使いこなせていない企業も少なくないと思います。そういった企業にも利用しやすくするのが、第一の課題です。
ヤフーでは、すでにコールセンターをはじめサポート体制は充実していますが、それでも利用にハードルがある企業に、もっと簡単に使えるメニューを用意する、などを考えています。出稿未経験だと「運用型広告」という点でそもそも負担があるので、用語や管理画面も含めて導入のハードルを下げたいと思います。
MZ:たしかに、冒頭でお話しいただいた地域ターゲティングなどを考えると、中堅中小企業でまだ使っていない企業が導入するケースはありそうですね。
齋藤:そう思います。ターゲティングの精度が高くなるほどリーチも取れますし、競合ワードの問題も商圏を絞ればクリアしやすいので、中小企業ほど、うまくいけばかなり狙い通りのユーザーにリーチできます。そのあたりの理解促進も合わせて、より使いやすいプロダクトとサービス開発に今後も努めたいと思います。