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統括編集長インタビュー

「データドリブン、受け身の姿勢は消えた」トップアナリストの2016年キーワードは「育成」と「コラボ」


“弟子”ができた小川さん、OJTを始めた清水さん

小川:私も実は、人を育てるということにはあまり興味がないといいながら、最近一人“弟子”ができたんですよ。

押久保:心境の変化?! それはどういう形で?

小川:本職は上場企業に勤めていますが、休日にセミナーを手伝ってもらったり、課題を出したりしていて。大学院生のときに僕が登壇したセミナーを聞いて、Web解析に興味を持ったと。Web解析や数値を理解できる人材は、いずれ経理職みたいにどの会社にも必須というふうになってしかるべきだと思っているので、裾野を広げる一環ですね。

押久保:なるほど。小川さんは昨年、ヒートマップを活用したUX解析ツールを提供するUNCOVER TRUTHのCAOに就任されましたが、教育的な活動もされているんですか?(プレスリリース

小川:そうですね。アナリストが5、6人いるので、クライアント先へ私と同行したり、レポートを見せて学んでもらったり。やはり、現場で顧客とどんなふうに対話しているかというのは、同席するのがいちばん早い。レポート解説中、どういうタイミングで「質問ありますか?」と言うのかとか、ささいなことなんですけど。

 「他の業界ではどうか」と聞かれてパッと答えられるかは、もちろん経験によりますが、恐れないで問いかけるべきですよね。どういうことに興味を持っているかを引き出さないと。

清水:アナリストはピンでやっている人が多いから、人のやり方を見る機会はすごく少ないよね。だから僕も、長く社外CMOを務めているサンクトガーレンでは、外部にオープンにすることを前提にやっている。あとはOJT的に企業から人を受け入れて、僕の仕事先に一緒に行ったりしてしばらく育てて送り返す、といったことも始めました。

押久保:それは、まさに生きた学びになりますね。編集者もわりと一人の作業になりがちなので、よく分かります。

若手を育てること、守備範囲の異なる人とコラボすること

押久保:さらに最近では、小川さんは別途ブライダル業界で事業をスタートされましたよね。

小川:ええ、マイナビのブライダル系サイトで編集長を務めていた方が独立して、新しく結婚式場に特化したWebコンサルティング会社を立ち上げたんです。そこにCAOとして参画しました(参考記事)。こちらはユニットみたいな形ですね、彼女は業界のことが分かる、私はWebが分かる。

 こういうコラボ的な取り組みが、今年のひとつのテーマかなと思っているんです。やっぱり、多様化する中で全部自分ではできない、スキルセットの面でも。

清水:弟子の話も、コラボ的な話も、とてもいいなと思って刺激を受けましたね。いろいろ考えると、一人で働くって時間の無駄だなと(笑)。それで僕も年始早々「“清水塾”をやります」とFacebookで宣言して、仲間を集め始めたところ。深い関係からゆるい関係まで、いろいろな形でかかわれたらと。

 人を育てるのと、人と一緒に動くというのはまた別の話で、後者はけっこう奥が深い。コラボって言葉の上で仲良くやってもうまくいかない。そこに実は、図に描いてそれを見ながらディスカッションして、決めごとをして数字で確かめるというコンセプトダイアグラムの考え方が活かせるんです。これはコラボのフレームワークでもある。

押久保:意外なことに、人材育成の話題が尽きませんが、それだけWeb解析やデータドリブン自体が定着して人材不足になっているということなのかもしれませんね。パイオニアから見ると、その現状がけっこう課題に映っていると。

清水:私たちは職種名や職務の内容がはっきりしてなかったころからやってますからね。でも今の若い人、学生でも優秀な人はたくさんいるから、もっと彼らが出てこられるような環境にしたい。

ユニットで活動するWeb界の“AKB48”を確立

押久保:では最後に、今年の抱負を。

清水:僕は小川さんのコラボを真似して、今年は“ビジネス版AKB48”をつくりたいですね。SEOとライターとアナリストとか、2、3人のユニットをいっぱいつくってデビューさせて、ユニット単位や個人単位でゴールを設けて評価していく。プロジェクトをネタに育つ様子を皆で見守る、みたいな。なので、清水塾、まだまだ募集中です(笑)。

押久保:秋元康さん的になると(笑)。小川さんは?

小川:私は人を育てたいというよりは、Web解析の総人口数を増やしたいという考えがベースにあります。それは人口を増やせばいい人が出てくる確率が高まるだろうというのと、どの会社でも必要とすべきものだと思っているから。

 で、今年の抱負としては先ほどのブライダルのコラボを軌道に乗せることと、もう一度、英語での発信をしていこうと。ソーシャルゲームの分析や、日本ならではのユニークな事例や解析の取り組みは、もっと海外に発信していくべきだと思うので、改めて本腰を入れたい。

 毎年なにか、新しいチャレンジをしていきたい。ぜひ若い人たちもどんどん外に出てきてほしいですね。できるサポートはしますので。

 押久保:また次回は新たな話題が上がりそうですね。ありがとうございました!

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:09 https://markezine.jp/article/detail/23735

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